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アスリートにはつかみたい夢が、悔しさであふれた過去があります。担当記者が選手の喜怒哀楽をつづります。

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「遊び場」でのひらめき 引退表明の錦織、独創的テニスの原点

東京五輪の男子シングルス3回戦、ショットを放つ錦織圭選手=有明テニスの森公園で2021年7月28日、宮間俊樹撮影
東京五輪の男子シングルス3回戦、ショットを放つ錦織圭選手=有明テニスの森公園で2021年7月28日、宮間俊樹撮影

 男子テニスで元世界ランキング4位の錦織圭選手(36)=ユニクロ=が1日、現役引退を表明した。かつての担当記者が錦織選手の戦いを振り返った。

 度重なるけがに苦しむ錦織選手の姿は何度も見てきた。

 けがが治っても、別の部分に負担がかかって痛みが出る悪循環。なかなかコートに戻れない日々は、相当なストレスだったと思う。

 それでも簡単にはラケットを置かないと思っていた。それほどテニスが好きだからだ。

 正直、40歳までプレーするのではないかと思ったことすらある。

簡単にミスする相手は大嫌い

 忘れられない言葉がある。

 2018年のウィンブルドン選手権。2回戦で勝利した後の記者会見だった。

 記者から「テニスから離れたいとか面倒くさいとかそういう気持ちになったことはあるか」と問われ、錦織選手は言い切った。

 「もちろんメンタルが疲れる時はあるけど、やめたいとかつまらないと思ったことは、今まで一回もない」

 けがとは常に隣り合わせ。故障箇所も脇腹やふくらはぎ、肩、手首、でん部、股関節など数え切れない。試合途中に治療を受けることや、途中棄権を余儀なくされる場面は増えた。

 世界のトップで戦うようになって精神面の負担もかかっていた。

 いくらテニスが好きでも、さすがに投げ出したくなる気持ちもあるだろうと想像していただけに、「今まで一回もない」という言葉は強く印象に残った。

「遊び心を持ったテニス」

 幼少期のテニスとの向き合い方にその答えがある。

 子どもの頃から…

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