「レオン」が一番とは言えない ジャン・レノさんが語る俳優道
自分を動物に例えるなら、ラクダだという。
「ゆっくり進み、遠くまで歩く。人や商品、文化を乗せ、一歩一歩、運んでいく」
映画「レオン」で世界を魅了した俳優ジャン・レノさんは、ラクダのそんな姿に自身を重ねる。
移民の子としてモロッコ・カサブランカに生まれ、フランス、アメリカへと活躍の場を広げてきた。その半生を、初の一人芝居「らくだ」にまとめた。
脚本と出演を自ら手がけ、5月から世界ツアーに出る。その開幕国に選んだのが日本。「とても好きなので」と説明する。
とにかく好きで幸せ
それにしても、だ。
日本のどんなところが好きなのか――。
4月下旬、東京都内で100人前後の報道陣が詰めかけた取材会では、そんな質問が相次いだ。
レノさんの答えはこうだ。
「何かを好きな理由は語るのが難しい。香水の香りと同じで、(構成成分は)分析できない。妻への愛も同じ。なぜ好きなのか説明はできないけれど、全て含めて妻を愛している。とにかく私は日本が好きで、この国にいると幸せなんです」
世界初演会場となる東京芸術劇場(東京・池袋)の担当者などによると、レノさんと仏制作チームは東京に約1カ月間滞在し、舞台を制作している。
クリエーションの場にも日本を選んだのは「これまでのキャリアや名誉から一旦離れて、素の自分でこの舞台を作りたい」との意向が強かったためという。
初来日は、映画「グラン・ブルー」(1988年)のプロモーションだった。
当時記憶に残ったことは三つある。
日本人の優しさ▽受け入れて歓迎してくれる気持ち▽他者を尊敬する姿勢――だ。
30年以上たった今も、変わっていないように感じるという。
親日家としてのレノさんを知ろうと、記者たちはさらに質問を重ねた。
「日本で食べたい物は?」
「訪れるのが楽しみな場所は?」
だがレノさんは申し訳なさそうな…
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