将棋の第97期棋聖戦(産経新聞社主催)の挑戦者決定戦が1日、東京都渋谷区の将棋会館で指され、服部慎一郎七段(26)が羽生善治九段(55)に勝ち、タイトル初挑戦を決めた。藤井聡太棋聖(23)との五番勝負は6月4日、千葉県木更津市で開幕する。
服部七段は、新人王戦などの棋戦で4回優勝の実績がある若手実力者。中盤で羽生九段にリードを奪われ、徐々に押される苦しい展開となった。服部七段は敗勢に陥った終盤に羽生玉を連続王手で追い立て、苦しいながらも諦めない。
王手が途切れたところで服部七段の玉に即詰みがあったが、羽生九段は少ない残り時間で読み切れず、服部七段に勝利が転がり込んだ。終局直後、服部七段が即詰みの手順を指摘し、羽生九段は「あ、そっかー」と落胆の声を上げた。
服部七段は「最後の最後までちょっと足りないのかなと思ってはいました。タイトル挑戦の実感はまだあまり湧いてはいないんですけど、藤井棋聖と戦うことはすごくうれしい。タイトル戦に出るからには盛り上げたいなと思います」と抱負を語った。
一方、羽生九段は「(相手玉は)詰んでたんですね。ひどかったです。王手をかけられてどっちに逃げればいいか、ずっと分からないまま指していたので、最後勝ちがあったか、ちょっと気が付かなかったです」と、あと一歩のところで挑戦権を逃し、悔しそうに頭をかいた。
羽生九段は2025年6月に日本将棋連盟会長を退任し、対局に集中できる環境を整えた。他の棋戦でも白星を重ね、公式戦での連勝を10に伸ばしていた。王位戦リーグでも首位タイで並び、タイトル挑戦権争いを演じている。
17年にタイトル通算99期となってからは足踏みが続く。「本局は細かいところでの精度を上げていかなくてはいけないという課題があった一局でした。(100期は)一局一局の積み重ねなので、これからも変わらず全力で取り組んでいきたい」と前を向いた。【丸山進】