「常連さんより一見(いちげん)さんの方が怖い。常連さんは、ある程度、妥協してくれるけど、一見さんは一口目で答えを出すから」。尾道市の海岸通りにある老舗ラーメン店「つたふじ本店」で、店主の仁井博明さん(74)がつぶやいた。
戦後、両親がラーメン屋台を始め、1950年に店を構えた。仁井さんは商売が嫌で、高校卒業後、外航船の乗組員になった。しかし、23歳の時、休暇で実家にいた際に父親が病死し、「母親に頼まれ、嫌々跡を継いだ」という。
それから半世紀。行列が絶えない店になった今でも「父親の味を変えないようにするのは難しい」と初心を忘れない。「一生懸命ラーメンを作り、お客さんに『おいしい』と言ってもらうのが一番の幸せ」と実直に語る。
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