◆『歌集 アスパラの芽立(めだち)するころ』
(角川文化振興財団・2970円)
すべての生き物を無心に見つめる姿
私は選者として新聞や雑誌や短歌大会などで一般公募の短歌作品を読む機会がある。その中で高齢者が独居生活のさびしさを詠んだ歌をよく見かけるのだが、年々その数が増しているように思う。この歌集の作者の馬場あき子も、2017年に夫で歌人の岩田正を亡くし、98歳の今も一人で暮らしている。
はつなつの生姜のかをり朝の卓神代のごとし夫亡きひとり身
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