岩手県大槌町の山林火災で、町は2日、「鎮圧」を宣言した。4月27日以降の降雨や消火活動によって、発生から11日目で延焼拡大の恐れがなくなったと判断した。町役場で記者会見した平野公三町長は「現場には火種が残っている可能性がある」と述べ、警戒を続ける考えを示した。
焼損面積は町の約8%の1633ヘクタールで、平成以降の山林火災では国内2番目。発生から5日間は急速に燃え広がって一時は民家近くまで火の手が迫ったが、降雨後は火の勢いが弱まった。
「鎮圧」とは、消防隊が制御できる火の勢いとなり、延焼拡大の危険がなくなったと判断した状態を指す。「鎮火」は、再燃の恐れがないと認定した場合に使う。
最大で人口の3割に当たる1558世帯3257人に出されていた避難指示は、4月30日までに全て解除された。避難指示が出た地域に住む宮司の藤本俊明さん(76)は「消防力と地域住民の結束で、住宅の多い地域への延焼を防ぐことができてよかった」と振り返った。
火災は4月22日午後1時50分ごろに大槌町小鎚(こづち)で発生。同日午後4時半ごろには約10キロ離れた吉里吉里(きりきり)地区の山林でも起きた。
民家1棟を含む8棟の建物被害が出たほか、消火作業などで2人がけがをした。最大で12都道県約1200人の緊急消防援助隊や、自衛隊など15機超のヘリが投入され、消火や警戒に当たった。【奥田伸一】