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町へ出よう 書を探そう

本離れやネット購入の普及など逆風の中でも、個性的な取り組みで注目される書店が各地にあります。そんな本屋さんを訪ね歩いてみました。

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ミュージアム閉館で一念発起 「星の王子さま」専門の移動書店

星の王子さま専門の移動書店を営む都路一海さん(右)と森奈美子さん=埼玉県入間市の入間市文化創造アトリエ館庭で2026年4月11日、上東麻子撮影
星の王子さま専門の移動書店を営む都路一海さん(右)と森奈美子さん=埼玉県入間市の入間市文化創造アトリエ館庭で2026年4月11日、上東麻子撮影

 夜空を思わせる紺色のフランス車の中に、さまざまな国や出版社の「星の王子さま」と、作者サン=テグジュペリに関する本が数百冊。Librairie(リブレリ) B612は、おそらく日本で唯一の「星の王子さま専門」書店だ。

 都路一海さん(37)と森奈美子さん(46)は、首都圏のイベント会場やショッピングモールなどに年間50回ほど出向く。書棚の上で、王子さまやキツネ、「ゾウを飲み込んだウワバミ」のぬいぐるみが来店者を迎える。

 砂漠に不時着した操縦士が不思議な男の子に出会う物語は、1943年の出版以来500以上の国・地域の言葉に翻訳され、日本語訳も多数ある。

 都路さんは高校生のころ、この本に出会った。折に触れて読み返すたび、違う場面が心に染み入った。大学時代には訳書や関連書を本格的に集め始めた。

 作中、王子さまは自分の星に咲いた一輪のバラを大切に思う。砂漠で出会ったキツネはその理由を、バラのためにたくさんの時間を費やしたからだと語る。都路さんも何度も「王子さま」と向き合ううちに、作品が「自分の人生の一部」になっていた。

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