投資活動を通じて気候変動対策を推進する運用会社の国際的な枠組み「ネットゼロ・アセットマネジャーズ・イニシアチブ(NZAM)」が今春、再始動した。地球温暖化を「史上最大の詐欺」と決めつけるトランプ米政権の政治圧力を背景に活動停止を余儀なくされていた▲年金基金など機関投資家から預かった潤沢なマネーを再生可能エネルギーや脱炭素技術を開発する企業に積極的に配分。温室効果ガス排出量の実質ゼロに貢献することを目指している▲2020年12月、日米欧の有力運用会社30社を創立メンバーとして結成された。二酸化炭素(CO2)を多く排出する化石資源関連の企業や脱炭素対策に不熱心な企業を投資対象から外す方針が歓迎され、グリーン投資ブームを巻き起こした▲だが、化石燃料回帰を推進するトランプ氏が25年1月、大統領に再登板すると状況は一変した。米国内で「金融機関が足並みをそろえて投資を制限するのは不公平」などと批判が広がり、ブラックロックなど米有力運用会社が相次いで脱退。活動を進められなくなった▲今回の復活劇をけん引したのは、世界的な脱炭素の流れは不変とみる年金基金などの顧客だったという。強力な後押しを受けて、仏アムンディや、三井住友信託銀行の系列会社など日欧の資産運用大手が再結集した▲きょうは地球環境を考える「みどりの日」。気候危機の克服に向け、金融の力で企業の行動変容を促そうとするNZAMのチャレンジにエールを送りたい。