皇族数確保に向けた与野党の議論が再開した。宮内庁は皇室の縮小に危機感を募らせてきたが、何の対策も取られない状態が続いている。皇室を巡る多様な考え方があるうえ、天皇や皇族は「生身の人間」だからこそ、議論の決着は難しい。
一定でなかった天皇の役割
天皇は126代にわたり続いているとされる。かつて女性の即位もあり、「現人神(あらひとがみ)」だった時代もある。今は国民の象徴として「基本的人権」の枠外にある。
宮内庁は、天皇系図での初代を神武天皇とする。天から降臨した神の子孫とされる伝承上の天皇だ。実在したかどうかについて、宮内庁は「諸説あると承知しているが、日本書紀などの記述に基づき、初代としている」と回答した。
歴史研究では初代に近い天皇は実在が疑われている。6世紀初め、北陸方面から迎えられたとされる継体天皇は出自を巡って諸説ある。
検証が難しい時代も含めて振り返ると、かつては推古天皇などの女性天皇が即位し、生前の譲位も許容されていた。政治実権を持っていた時代もあれば、そうでない時代もある。天皇の役割は一定ではなかった。
明治時代に「神格化」
明治に入ると、大日本帝国憲法で「万世一系」の天皇が統治する中央集権体制が整備された。天皇は神格化されるとともに、同時に制定された旧皇室典範は皇位の継承資格について、男系男子に限ると初めて明文化した。
その後、日本は戦争の道を進み、天皇は日本軍の最高指揮権を持っていた。戦後は1947年に施行された新憲法の下、国民統合の「象徴」となった。
男女平等原則を定めている新憲法。制定の議論では…
この記事は有料記事です。
残り1032文字(全文1699文字)
【時系列で見る】
-
「配慮が不可欠だった」 皇室の議論、石破氏が語る三つの難しさ
1日前インタビュー -
女性の即位、現人神の時代も… 今の天皇は「基本的人権」の外に
1日前深掘り -
「ずっと中ぶらりん」 進まぬ皇室の議論、宮内庁幹部らの危機感
1日前深掘り図解あり -
女性天皇への賛否と愛子さまの存在 世論調査に見る有権者の本音
22日前 -
女性天皇「賛成」の広がりと高市首相への注文 毎日新聞世論調査
22日前図解あり -
女性天皇「賛成」61% 「反対」9% 毎日新聞世論調査
22日前 -
結党時の「宿題」集約なるか 中道、皇族確保で初会合 妥協点は
36日前深掘り -
女性天皇賛成、5割下回る 皇室典範改正に影響も 衆院選当選者
64日前深掘り図解あり -
皇族数確保の意見集約見送り 宮内庁長官「議論しっかり進めて」
327日前 -
「結婚後も女性皇族」の実現が焦点 皇室典範の改正目指し協議再開
459日前図解あり -
宮内庁長官が「反省」を表明 皇族数確保策巡る秋篠宮さまの指摘に
509日前 -
女性天皇、賛成6割 与党は慎重姿勢 毎日新聞候補者アンケート
559日前図解あり -
愛子さまは皇室に残られるか? 会期末まで1カ月、与野党合意の行方
719日前深掘り -
皇族確保の議論は待った無し 幅広い合意形成に必要な課題とは?
719日前深掘り -
皇族確保策、連休明けに議論開始 自民案提出、各党見解出そろう
740日前 -
皇族数確保の意見書、公明委が大筋了承 有識者会議の2案容認
770日前 -
「皇室典範に構造的な欠陥」 羽毛田・元宮内庁長官 講演詳報
781日前 -
皇位継承議論に備えか 山崎重孝氏、内閣官房参与に半年で再任
781日前 -
皇位継承「制度改正は待ったなし」 元宮内庁長官が危機感示す
781日前