2023年夏、中国出身の呉慶雲さん(仮名、28歳)は、カリブ海に面する南米コロンビア北部ネコクリから、対岸のアカンディまで向かう小さなボートの上にいた。
そこでは20人以上がひしめき合い、大半は中国人だった。船体は激しく揺れ、海に投げ出されそうになったのも一度や二度ではなかった。「米国に行けないなら、生きている意味がない」。そう自身に言い聞かせ、命の危険と隣り合わせの約2時間を船上で耐え抜いた。
中国から米国に渡ろうとする不法移民は24年(米会計年度)に急増。米当局によると、米南西部国境で拘束された中国人は、10年から本格的な新型コロナウイルス禍前の19年(同)まで年間800~2300人程度で推移していた。だが24年に拘束された中国人は約3万8000人に上った。
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