文学・書評
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InMyLife・旅の途中で
言葉で、本屋で、背中押す 作家・落合恵子さん 未完の一本道
2026/5/6 11:01インタビュー 3829文字自らの出生を「原点」と語る、作家の落合恵子さん(81)。 婚外子として生まれたことで自身の役割を決めつけられることに居心地の悪さを感じ、幼い頃から「自分が自分である」ことを意識してきたといいます。 大学卒業後は文化放送に入社。深夜放送に抜てきされると、「レモンちゃん」の愛称で一躍人気者になります。
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InMyLife・旅の途中で
明るく軽やかに生きるため、闘う 作家・落合恵子さんの原点
2026/5/6 11:00インタビュー 2723文字東京・吉祥寺の一角にある子どもの本の専門店「クレヨンハウス」。作家の落合恵子さん(81)が半世紀かけて築いてきた居場所です。 季節の花々で彩られた玄関を入ると、目に飛び込んでくるのはガラスケースに陳列されたケーキに菜の花、リンゴといった旬の野菜や果物。 初めて訪れる人は「本当にここは本屋なのか」と
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町へ出よう 書を探そう
最寄りの書店から40キロ ひなびた温泉街にある「ブックオフ」
2026/5/5 14:00 1430文字「山の温泉(ゆ)や裸の上の天の河」。路をまたぐアーチ状の門に、俳聖・正岡子規がこの地で詠んだ句が記されていた。道路脇のそこかしこから湯気が立ちのぼり、かすかに「硫黄臭」も漂う。 山あいを走るJR北上線のほっとゆだ駅から北へ車で約10分、北上山地に抱かれた岩手県西和賀町の湯本地区は、旅館が数軒という
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正義が揺らぐ災害時 「防災の倫理」と“成解”の可能性
2026/5/5 10:00インタビュー 3898文字ブレーキの利かなくなったトロッコが線路を走っている。進行方向に5人の作業員がいる。別方向には1人だ。あなたはトロッコの進路を切り替えられる立場にいる。そのまま5人の死を見過ごすか、1人はやむなしと犠牲にするか――。 倫理学などで議論される思考実験「トロッコ問題」の一場面だ。設定の非現実性に批判もあ
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「対馬丸」繰り返すのか 田島征彦さんが新作絵本で投じる一石
2026/5/5 08:00インタビュー 2854文字最後の“宿題”の提出期限が早まった。 「啓子(けいこ)さんの生涯をかけた訴えが軽んじられている」と感じたからだ。 型絵染めの技法を駆使する絵本作家、田島征彦さん(86)の新作「ガージュー先生 対馬丸事件を生きぬいた少女の物語」(童心社)には世界の現状への怒りや、未来への思いがにじむ。 ◇疎開船の悲
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町へ出よう 書を探そう
心のすきま、埋める存在になりたい 「ローソンまちの本屋さん」
2026/5/4 14:00 1452文字おにぎり2個買うとドリンク1本もらえる!――。売り場入り口にそんな横断幕が掲げられ、おなじみの「青地に白のミルク缶」のロゴが目立つ、川崎市多摩区のコンビニエンスストア「ローソン向ケ丘遊園南店」。おなじみでないのは、外に「本」と大きく書かれた看板があることだ。 コンビニで本を扱うといっても、よくある
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「骨のうたう」 詩人・竹内浩三の遺稿、デジタル化5年ぶり再開
2026/5/4 13:45 1025文字太平洋戦争で戦死した三重県伊勢市出身の詩人・竹内浩三(1921~45年)の遺稿や手紙をデジタル化する作業が5年ぶりに再開された。市民団体「竹内浩三を伝えゆく会」と資料を保管する松阪市の本居宣長記念館が協力し、4月22日に自筆原稿など計11点、76枚をデータ化した。 伊勢の呉服店に生まれた竹内は宇治
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今週の本棚・次回の予定
5月9日の毎日新聞書評欄は『水俣からあなたへ』
2026/5/4 11:00 495文字5月9日の毎日新聞朝刊「今週の本棚」で掲載予定の本の主なラインアップを紹介します。 ①田尻久子さん評『水俣からあなたへ』(一般社団法人 水俣・写真家の眼ほか著・リトルモア) ②大竹文雄さん評『医療崩壊の経済学』(高久玲音著・慶應義塾大学出版会) ③鴻巣友季子さん評『バンリュー フランス団地映画の軌
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作家の息づかいを本に落とし込みたい 祖父江慎さんが目指すもの
2026/5/4 09:00 1958文字新しい発想で本の装丁やデザインに取り組み続けたブックデザイナー、祖父江慎(そぶえ・しん)さんが3月15日、亡くなりました。66歳でした。 型にはまらない発想の根底には、何があったのでしょうか。 日本の出版文化と共に歩んだその人生を、毎日新聞朝刊「私の記念碑」(2024年1月)の記事を再掲し、上中下
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町へ出よう 書を探そう
ミュージアム閉館で一念発起 「星の王子さま」専門の移動書店
2026/5/3 14:00 1535文字夜空を思わせる紺色のフランス車の中に、さまざまな国や出版社の「星の王子さま」と、作者サン=テグジュペリに関する本が数百冊。Librairie(リブレリ) B612は、おそらく日本で唯一の「星の王子さま専門」書店だ。 都路一海さん(37)と森奈美子さん(46)は、首都圏のイベント会場やショッピングモ
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くすぐったさを本に 乱丁をブックデザインする祖父江慎さん
2026/5/3 09:00 1937文字新しい発想で本の装丁やデザインに取り組み続けたブックデザイナー、祖父江慎(そぶえ・しん)さんが3月15日、亡くなりました。66歳でした。 型にはまらない発想の根底には、何があったのでしょうか。 日本の出版文化と共に歩んだその人生を、毎日新聞朝刊「私の記念碑」(2024年1月)の記事を再掲し、上中下
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正岡子規の業績伝えた柳原極堂 活動分かる129点展示 松山
2026/5/2 10:15 560文字松山市出身の俳人、正岡子規(1867~1902年)の業績を後世に伝える活動を続けた柳原極堂(1867~1957年)に関する展覧会が、同市の市立子規記念博物館で開かれている。極堂の生涯にわたる子規顕彰活動が分かる129点が並ぶ。6月8日まで。 極堂も松山市出身で子規と同い年。松山中学校時代に親しくな
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ブックデザイナーでも読むのは苦手 祖父江慎さんが打ち明けた日
2026/5/2 09:00 1987文字新しい発想で本の装丁やデザインに取り組み続けたブックデザイナー、祖父江慎(そぶえ・しん)さんが3月15日、亡くなりました。66歳でした。 型にはまらない発想の根底には、幼少期から持つ「本が読めない」感覚があったといいます。 「鍵っ子」だった子供時代の思い出から、研究者顔負けの夏目漱石コレクターとし
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今週の本棚
『いつまでもなかよし シャオシャオとレイレイ』
2026/5/2 02:02 145文字2021年に東京・上野動物園で生まれた初めての双子パンダの写真集『いつまでもなかよし シャオシャオとレイレイ』(日本パンダ保護協会編著・朝日新聞出版・1980円)より。避けては通れない親離れ。互いに支え合い、乗り越えたシャオシャオ(左)とレイレイ。写真は23年6月23日、朝日新聞社撮影。
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今週の本棚
『中世モンスターのはなし』=ダミアン・ケンプ、マリア・L・ギルバート・著、堀口容子・訳
2026/5/2 02:02 459文字(美術出版社・2640円) 猛毒の息を吐くドラゴン、美しい歌声で船乗りを誘惑するセイレーン――。テレビゲームで見るような怪物たちがずらりと並ぶ。大英図書館などが所蔵する装飾写本に描かれたモンスターたちの姿は生々しいが、どこか可愛らしく引き込まれる。 ライオンの胴体にワシの頭と羽を持つ「グリフィン」
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今週の本棚
『大正・昭和前期の日本語』=木村義之・編著
2026/5/2 02:02 489文字(朝倉書店・3960円) 「大正・昭和前期」のくくりで日本語を考えたことはなかった。明治維新からの変革が落ち着きつつ二つの大戦を経験する時代。新聞用語をはじめ今の日本語を考えるには振り返ってみてもよいかもしれない。 関東大震災後、後藤新平が「復旧なんてケチな事を言うな」と言って「復興」がキーワード
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今週の本棚
『ノーメイク鑑定士』=石田夏穂・著
2026/5/2 02:02 485文字(中央公論新社・1980円) 取引先からの「化粧をしていない社員がいる」という不可解な苦情を受けて犯人捜しの密命を与えられたのは、長年の「ノーメイク」を気づかれていない女性社員だった……。表題作など職場を舞台にした4話を、すっきりと136ページで収録した短編集である。 3年前に出版された中編小説『
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今週の本棚
藻谷浩介・評 『あなたの町のモンスター』=寺本英仁・著
2026/5/2 02:02 1343文字(ブックマン社・1980円) ◇政治に負けない地域づくりとは 島根県邑南町(おおなんちょう)在住で、近隣から東京都内までの様々な地域活性化事業の経営に関わりつつ、全国の市町村に出向いて若手職員人材の育成にまい進している著者。その彼が、地方自治の現場の直面する現実と、そこになお照らしてくる光について
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今週の本棚
橋本麻里・評 『もっと知りたい 千利休と茶の湯』=千宗屋・著
2026/5/2 02:02 1436文字(東京美術・2530円) ◇「ものをして語らしめる」 彼の絶対値 日本の美意識を象徴するもののように用いられてきた、「わびさび」という曖昧な語は、本書に登場しない。その代わり「『わび茶』とは何か、そして利休は一体何を成し遂げたことによって、かくも名を残し、後世『茶聖』とまで崇め奉られるようになった
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今週の本棚
荒川洋治・評 『富来祭 羽織と時計 加能作次郎小品集』=杉原米和・編
2026/5/2 02:01 1396文字(りょうゆう出版・1980円) ◇大切な人の心のなかを通る感覚に 書く人と読む人の思いが、ひとつになることもある。 加能(かのう)作次郎(一八八五―一九四一)は石川県西海村(現・志賀町)の生まれ。大正期の「世の中へ」、昭和期の「乳の匂ひ」など情趣ゆたかな名作を残した。『富来祭(とぎまつり) 羽織と
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