歌壇・俳壇
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毎日歌壇・俳壇5月4日の特選より
2026/5/4 04:00 300文字<短歌>加藤治郎選 ◇戦争をしないと決めた文がいま輝き放ちわたしをまもる(守口市 寺前晴)<俳句>井上康明選 ◇白雲の一朶に揺れて桜咲く(唐津市 梶山守) 5月3日は憲法記念日。安全保障環境が厳しさを増すなか、寺前さんは憲法9条の大切さを歌にしました。梶山さんの句の「一朶(いちだ)」は「ひとかたまり
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毎日俳壇
井上康明・選
2026/5/4 02:00 365文字白雲(はくうん)の一朶(いちだ)に揺れて桜咲く 唐津市 梶山守<評>春の雲がぽっかり浮かび、風に揺れながら桜が咲いている。「白雲の一朶」という、古風で文学的な表現に味わいがある。牡丹(ぼうたん)や頰を寄せあふやうに揺れ 甲府市 清水輝子<評>頰を寄せ合うという例えは、ボタンの柔らかい花びらがふくよか
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毎日俳壇
片山由美子・選
2026/5/4 02:00 341文字病室のヒヤシンス咲き外は雨 相模原市 はやし央<評>水栽培のポットに咲いたヒヤシンスだろうか。入院中の身もまた病室にとらわれの気分であり、「外は雨」が心にひびく。新人の気象予報士花の雨 川越市 大野宥之介<評>毎日みているテレビの気象情報に新人予報士が登場。こんなところにも桜の季節らしさが。春愁やど
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毎日俳壇
西村和子・選
2026/5/4 02:00 345文字野球帽脱いで子猫を入れにけり 姫路市 板谷繁<評>捨て猫を連れ帰ったか。ひ弱な子猫を入れるものが何もないので、野球帽を脱いだ機転。草野球帰りの少年を想像した。上着手に歩く漢(おとこ)ら夏近し 前橋市 松本潤<評>「漢」と「男」。意味は同じだが、印象は異なる。「悪漢」か「好漢」か、季語が語る。子燕(こ
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毎日俳壇
小川軽舟・選
2026/5/4 02:00 330文字写真館に若き日の母花の昼 西尾市 金子恵美<評>壁に掲げたサンプル写真に若き日の母が写っている。町にずっと昔からある写真館に桜の咲く季節がよく似合う。遠足のどの子も翳(かざ)すスマホかな 名古屋市 山内基成<評>子供らしい遠足のイメージを裏切る遠足の光景。これが今の時代の現実なのだろう。抜き足で近づ
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毎日歌壇
加藤治郎・選
2026/5/4 02:00 481文字戦争をしないと決めた文がいま輝き放ちわたしをまもる 守口市 寺前晴<評>武力ではない。言葉が私を守る。憲法9条だ。3月の日米首脳会談で高市首相が国内法上の制約を説明したことを思う。飲み込めず舌でとかした錠剤のざらつき「ですが」「けれども」「しかし」 フランス 小仲翠太<評>舌の触感を巧みに表現してい
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毎日歌壇
水原紫苑・選
2026/5/4 02:00 465文字アポリアのまま煮えている根菜よ答えを出さない夕食がすき 安城市 唐澤うに<評>根菜は問いがたくおざなりには愛しがたく、それでいてなつかしく私たちのいのちを養うものたち。死者の声そぼふる朝の乱暴な言葉づかいはやめてと母は さいたま市 雨谷詩穂<評>死者へのおそれとうやまいの朝。たましいにつながる母のす
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毎日歌壇
米川千嘉子・選
2026/5/4 02:00 487文字子らと暮らした十七年は眩(まぶ)しくて彼らの愛した正義の味方 三重 中山由賀子<評>作者の子育ての時期は昭和の終わりから平成にかけての頃か。子どもたちが素直に正義を信じられた時代だったか。真夜中に通過せし駅明るかり盆梅展の長浜の駅 八千代市 若松トモエ<評>寝台特急などからの風景か。盆梅展で有名な長
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毎日歌壇
伊藤一彦・選
2026/5/4 02:00 472文字子どもらの橇(そり)あそび跡の丈長き枯草(かれくさ)ようやく立ち上がる春 福島市 澤正宏<評>春の訪れを歌い作者の捉えた場面はユニークで表現に説得力がある。「ようやく」以下、気持ちがしっかり籠もっている。お話に花咲かせる私一年生桜の花もこちらを見ています 川西市 丑ケ谷<評>作者は16歳というから高
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岡野弘彦さん死去 101歳 戦後短歌界をリード、文化勲章受章
2026/4/30 22:18 458文字戦後短歌界を長年リードした歌人で、文化勲章受章者の岡野弘彦(おかの・ひろひこ)さんが4月24日、心不全のため東京都世田谷区で死去した。101歳。津市出身。家族葬を行った。 1924年、神主の家に生まれた。国学院大予科に入学後、愛知県の豊川海軍工廠に動員され、45年に徴兵。軍用列車で移動中に東京で空
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毎日歌壇・俳壇4月27日の特選より
2026/4/27 04:00 293文字<俳句>西村和子選 ◇水筒の中は空っぽチューリップ(松戸市 森美奈子)<短歌>米川千嘉子選 ◇かさばって身体を塞いでいるこころ小さくたたんで奥へしまえたら(名古屋市 昼河) 森さんの句からは、春になりチューリップが咲き誇る広場を駆け回る子どもの姿が想像できます。昼河さんの作品は、こころが身体を塞いで
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毎日俳壇
西村和子・選
2026/4/27 02:01 347文字水筒の中は空っぽチューリップ 松戸市 森美奈子<評>春なのに急に気温が上がった真昼。そんな陽気の公園を、季語が語っている。子供たちは半袖で走り回っているだろう。歌半(なか)ば声のつまりし卒業歌 東京 黒川さと子<評>歌の途中で思い出が込み上げ、声がつまってしまった。卒業式の当事者でなくとも。日曜の朝
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毎日俳壇
片山由美子・選
2026/4/27 02:01 366文字盆栽展上段に置く藤の鉢 福岡市 山本眞弓<評>藤の花は、盆栽とはいえ垂れ下がる房が魅力。最上段に置いて、その姿をたっぷり見てもらおうというのである。そこだけに光集めて花ミモザ 東京 徳原伸吉<評>晴れた日のミモザの花は金色にかがやき、まさに光を集めているかのようなあざやかさだ。まあまあの「今日の運勢
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毎日俳壇
井上康明・選
2026/4/27 02:01 344文字初めての家庭訪問山桜 真岡市 下和田真知子<評>山国の新学期もしばらくたち、新しい担任の先生が家庭訪問に来た。尾根に咲く山桜が、人々と子供たちを見守っている。太陽を閉じこめ夜のチューリップ 浦安市 上村実川喜<評>夜のチューリップは、厚く大きな花びらが、昼間の太陽を閉じこめるように咲いている。菜の花
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毎日俳壇
小川軽舟・選
2026/4/27 02:01 363文字霾風(ばいふう)に鼻うごめかす駱駝(らくだ)かな 兵庫 小林恕水<評>日本で飼われているラクダだろう。はるか西域の砂漠から飛んできた黄砂に、故郷の匂いを嗅ぎとったかのようだ。青麦や世界を拓(ひら)く地平線 米子市 長田遼平<評>地平線の先は沃野(よくや)であってほしい。不安に満ちた世界に向けるまなざ
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毎日歌壇
米川千嘉子・選
2026/4/27 02:01 476文字かさばって身体(からだ)を塞いでいるこころ小さくたたんで奥へしまえたら 名古屋市 昼河<評>深く関わっている身体とこころ。現在の身体の不調がこころ由来だとわかってはいるのだが。上句の比喩に実感が。石油施設破壊されるを聞きながらひと玉十九円の饂飩(うどん)食(た)ぶ 堺市 門哉彗遙<評>ニュースで見る
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毎日歌壇
加藤治郎・選
2026/4/27 02:01 496文字まだだれもきれいに言ったことがない「滅びよ」そっと言ってみる夜 垂水市 岩元秀人<評>滅びは美しい。作者の思想である。きれいとは麗しい音が響く様だ。私が世界を滅ぼす。鬼才岩元秀人の傑作である。ココア味の揚げパンが付くモーニング口を拭きながら美味(おい)しいと言う 岐阜市 山上秋恵<評>岐阜はモーニン
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毎日歌壇
水原紫苑・選
2026/4/27 02:01 455文字身を投げるなら花吹雪の中へ。同化してもう姿も見えぬ 甲府市 村田一広<評>こうして花吹雪はたくさんの人を自分の肉体のうちに入れてしまう。さくら色の肉体は死ぬことがない。火でできた花を夜空に咲かせたいと最初に願った人のいたこと 福岡市 水川海<評>ふれがたい火の花が、ふれがたい空に咲く時、最初の人の心
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毎日歌壇
伊藤一彦・選
2026/4/27 02:01 451文字桜見て解(ほぐ)れる心があるのならまだ大丈夫、そう言い聞かせる 奈良市 久保祐子<評>美しい桜の花を見ても何の感興も覚えなくなったら怖いが「まだ大丈夫」と歌う。「そう言い聞かせる」が深く心に残る。しつけ糸抜いてないよと言いそびれ小さい子はもうどこにもいない 豊後大野市 菜瑞菜<評>しつけ糸を知らなか
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毎日歌壇・俳壇4月20日の特選より
2026/4/20 04:00 308文字<俳句>小川軽舟選 ◇図書館へ通ふ二人や雪柳(東京 佐灯素秋)<短歌>伊藤一彦選 ◇ヒーローは自分の中にヒーローを育ててきっと頼りにしてる(駒ケ根市 市山利也) 佐灯さんの句に出てくる2人は友人なのか、それとも恋人、老夫婦なのでしょうか。ちなみに雪柳の花言葉は「愛らしさ」「気まま」「静かな思い」です
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