性的被害、いじめ、デジタル依存を問題視
インドネシア政府は先月28日、子どもによる交流サイト(SNS)の利用規制を導入し、16歳未満のアカウント(IDやパスワードからなる会員証)保有を禁止した。性的被害やいじめ、デジタル依存を問題視し、こうした規制の導入はアジアで初めてだとしている。
対象はリスクが高いと政府が認定したXやTikTok、インスタグラムなどのSNS。ほかにユーチューブなども含まれる。
インドネシアの規制は、年齢確認をすることや、16歳未満が保有するアカウントの停止をサイトの運営側に義務付ける内容。対応しない場合、制裁金や接続遮断の措置を取る。Xの運営会社は規制に従う方針を示しているが、ユーチューブを傘下に置くグーグルは、子ども向けに独自の対策を講じているとし、規制は「知識格差を生む可能性がある」と反発している。
オーストラリア先行 フランスやスペインも検討
各国でもSNS規制の動きが広がっている。オーストラリアは昨年12月、世界で初めて国が16歳未満のSNS利用を禁止する法律の運用を始めた。フランスでは、15歳未満のSNS利用を禁じる法案が1月末、国民議会(下院)で可決された。新学期が始まる9月には規制が始まる見込み。フランスは2018年から小中学校での携帯電話の利用も禁止しており、欧州の中でもSNS利用への問題意識が強い。
スペインでも、16歳未満の利用を制限する方向で検討が進んでいる。複数の欧州メディアによると、同様の規制を目指す動きはデンマークやギリシャ、イタリアなど他の欧州各国でも続いているという。
規制の実効性への課題の一つが、年齢確認の方法だ。アプリごとに厳格な確認をしようとすれば、利用者は運営会社ごとに個人情報を提供しなければならず、不便なだけでなく情報漏えいのリスクが高まる。
また、大手SNSの大半は米国企業が運営しており、規制強化が新たな対立の引き金になりかねない懸念も指摘されている。Xを実質的に所有・経営する米実業家イーロン・マスクさんは、年齢規制について批判している。
日本、年内にも結論
日本でも法規制の有無を含めた議論が政府内で始まっており、年内に結論を出す方針だ。こども家庭庁が1月に設置した作業部会では、年齢規制の是非や、規制を実施した場合の年齢確認の方法などについて検討を始めている。