第一章 勝ちに見放されたガキ大将
泣くよかひっ飛べ(三)
家の中では、
「かずおちゃん」
と呼ばれていたが、しばらくすると「仮分数」というあだ名がついた。
当時の和夫は畩市(けさいち)に似て、ひょろっとした身体なのに頭が大きい。額が広く顎(あご)にかけてしゅっと細くなっているのも畩市譲りだ。
算数の授業で仮分数が出てきたとき、分母より分子のほうが大きいのを見た悪童が、
この記事は有料記事です。
残り1018文字(全文1202文字)
投稿にはログインが必要です。
連載:思い邪なし
- 前の記事
- 思い邪なし23 泣くよかひっ飛べ(二)
- 次の記事
- 思い邪なし25 泣くよかひっ飛べ(四)
注目コンテンツ
