小島さん(仮名、男性)は、従業員数約700人のサービス業を営む会社の人事部長です。この会社の産業医を務める私は先日、小島さんから「ある従業員から短期間の休業の申請がありました。がんの治療で短期入院するそうです。その後は働きながら治療するというのですが、どう対応したらよいかわかりません」と相談を受けました。私は、まず治療と働くことの両立を支援できる体制づくりの考え方から話すことにしました。
治療しながら働く
「がん」と聞くと命に関わる大変な病気と感じるでしょう。しかし、診断技術や治療方法の進歩で、がんになった人の状況によっては働きながら治療を進められるようになっています。厚生労働省は「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン」を公表して、職場における環境整備を後押ししています。
会社が治療と仕事の両立を支援していくには、まず社内で支援に関するルールや対応方法を決めたり、相談窓口を設置したり、柔軟な休暇や勤務制度を整えたりする必要があります。
ただ、病気というのはたとえ同じ病名でも病状が一人一人違います。同じような経過をたどるとは限りません。また、治療開始前に想定する結果とは異なる状況になることもあります。こうしたことに対応できるよう、両立支援の制度を設計する場合は、柔軟性のある仕組みにすることが大切です。
働き方のルールの見直しを
小島さんは「当社では定年後に再雇…
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