沼田さん(仮名、19歳男性)は、今年の春から物流会社の倉庫で働いている新入社員です。この会社の産業医を務める私は、沼田さんの入社時の健康診断で問診票の既往歴に「てんかん」と書いてあったことが気になり、面談を申し入れました。
発作は出ていないが…
てんかんは子供が発症しやすく、急にけいれん発作を起こしたり、一時的に意識を失ったりする疾患です。抗てんかん薬で症状を抑えることができますが、発作がいつ起こるかわかりません。
沼田さんは倉庫で荷物を運んだり、整理したりする業務を担当しています。この会社の人事担当者を通じて私が沼田さんと面談をしたのは、入社から3カ月ほどたったころでした。
症状について詳しく聞くと、沼田さんは小学生のころにてんかんと診断され、薬物治療を続けていました。治療を始めてから大きな発作が出たことはなく、主治医から「発作や意識の消失はいつ起きるかわからないので、1人で行動するときは気をつけるように」と指導されていました。そこで沼田さんの同意を得た上で、主治医から就業に関する意見を聞くことにしました。
まず私から、沼田さんの業務に関して、重量物を取り扱うことがあり、今後は深夜勤務をする可能性があることを伝えました。
主治医からは、発作は5年以上起こっていない▽抗てんかん薬を続ける必…
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