株主になったら フォロー

株主への「退場命令」も練習する総会のリハーサル

中西和幸・弁護士
ホテルで開かれたSUBARUの株主総会=東京都目黒区で2018年6月22日、今沢真撮影
ホテルで開かれたSUBARUの株主総会=東京都目黒区で2018年6月22日、今沢真撮影

株主総会のリハーサル(2)

 企業が株主総会に向けて行うリハーサルのハイライトは、役員と株主役との質疑応答です。株主の質問には的確に答えなければなりません。本番と同じ会場で、トップをはじめ役員が壇上に並び、会場には株主役の人が座り整理をする係員もいて、本番さながらのリハーサルを行います。

基本的な質問からひねった質問へ

 リハーサルの質問はどう選ぶのでしょうか。早い段階のリハーサルでは基本的な質問をします。「自社製品の売れ行き」や「今後の事業展開」、「海外進出をどう考えるか」といった内容です。最初から厳しく質問して役員が気を悪くしても困るので、あまり難しくない事柄を質問します。

 まず、役員全員に質問し、ひと通り回答してもらいます。事務局のスタッフは想定問答集を準備します。ただし、想定問答集に載っているのと違う質問には役にたちません。本番で想定問答のまま答えてしまい、株主から「質問に答えていない」とクレームをつけられることもあります。

 本番直前のリハーサルでは、デリケートで難しい質問をします。想定問答集通りではなく、少し角度を変えたり、質問に一ひねり、二ひねり加えたりします。例えば事業で赤字が出てしまった会社の場合、「赤字の原因は何か、なぜこうなったのか」といった質問と、「今後、どう対応するのか」といった質問では回答する内容が異なります。

 ピントがずれた答えが返ってきたときには、「そんなことを聞いてませんよ」と重ねて質問をします。そうした回答をする役員は、質問をきちんと聞いていないことが多いです。株主の質問を最後まで注意深く聞き、何を聞いているのかしっかり把握してから答えるよう…

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弁護士

1992年東京大学法学部卒。95年弁護士登録。上場企業の社外取締役、社外監査役を務め、企業法務に詳しい。共著に「会社役員の法務必携」(清文社)、「企業法務からみた株式評価とM&A手続き」(同)、「『社外取締役ガイドライン』の解説」(商事法務)、「企業不祥事インデックス」(同)など。