東芝と経産省の“闇”(1)
東芝は6月10日、2020年7月に開催した定時株主総会の公平性に関する外部弁護士の調査報告書を公表した。報告書は、経済産業省幹部が、東芝の筆頭株主である投資ファンドに対し株主提案をしないよう働きかけるなど実例を列挙し、「株主総会は公正に運営されたとは言えない」と結論づけた。
経産省を「楯」とし、自らは“物言う株主”に向き合おうとしない東芝の企業体質が報告書で露呈した。報告書公表の3日後に東芝は臨時取締役会を開き、「『総会が公平に運営されたとは言えない』との指摘は真摯(しんし)に受けとめる」とのコメントを発表した。6月25日の定時株主総会に提案する役員候補案を変更し、報告書が批判した社外取締役候補ら4人の退任も決めた。
株主総会の「票読み」を経産省に提出
この調査の実施は、3月に開かれた東芝の臨時株主総会で、筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネージメント(注)が議案として提案し、可決された。エフィッシモが選んだ前田陽司氏ら弁護士3人が調査を行った。東芝と経産省が歩調を合わせて株主総会対策を行ったことが、具体的なやりとりを踏まえて描かれ、極めて異例な内容となった。
報告書によると、東芝の豊原正恭副社長が20年3月以降、経産省課長らに繰り返し接触し、エフィッシモが株主総会に向け取締役選任の株主提案に動いていると説明。豊原氏は課長らに「『好ましからざる組織、機関』を排除、抑制することが(改正外為法に基づき)法的に可能なのか」などと尋ね、株主提案取り下げの支援を求めたと指摘した。
これを受け経産省は同5月、東芝に対して、外為法に基づく調査を求める趣旨…
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