星野リゾートの星野佳路代表は「コロナ後」の地方復活に向け、今こそ観光産業が抱える積年の課題を見つめ直し、戦略をバージョンアップする時だと唱えます。その一つが、インバウンド(訪日外国人客)が東京や京都など一部地域に偏る「インバウンド格差」。なぜ格差は発生し、どのような処方箋が考えられるのでしょうか。
「インバウンド格差」は、星野さんと地域エコノミスト、藻谷浩介さんによるオンラインイベント(「『コロナ後』の地方復活戦略!星野佳路氏×藻谷浩介氏」参照)でも話題の焦点になりました。この連載の中で随時、イベント当日に取り上げきれなかった参加者の質問に星野さんが答えていきます。
星野佳路の家業のメソッド
「観光立国」を目指す動きは、小泉政権が2004年に打ち出した「観光立国推進戦略」が始まりです。これは、日本の地方経済を支えてきた製造業が海外に工場を移転させていく中で、観光を新しい時代の基幹産業のひとつとして位置づけることで、地方の経済活動を維持し、安定した雇用を生み出すことが狙いでした。
その後、インバウンドは大きく伸び、コロナ前の2018年に年間3000万人を超えましたが、行き先を見ると、東京と京都、大阪といったトップ5の都道府県で全体の60%以上の集客をしています。
上位5都道府県とそれ以外の地域の間にある格差は非常に大きく、その差は広がりつつあります。観光立国の「地方経済にプラスの影響を与えていく」という、もともとの目的とは違った姿になってきており、トップ5以外の地域に、インバウンドという新しい観光の力をもっと行…
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