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「在宅勤務やめ!」新任上司の独断にチーム全員あぜん

井寄奈美・特定社会保険労務士
 
 

 A輔さん(32)は、従業員約150人のあるメーカーのエンジニアです。新型コロナウイルスの感染が拡大した昨春以降、A輔さんの部署は30人ほどのメンバー全員が在宅勤務(テレワーク)をしています。しかし、今年10月に代わった部門長から、来年1月以降は原則全員が出社するよう命じられました。メンバーは業務を支障なく進めており、A輔さんは部門長の方針に疑問を感じています。

在宅勤務でうまく回っていたのに……

 A輔さんの会社は、もともと在宅勤務制度がありませんでした。しかし、A輔さんの部署では前任の部門長の主導のもと、昨春にいち早くウェブ会議や情報共有のシステムやビジネスチャットツールを導入し、メンバーが在宅勤務できる環境を整えました。

 それ以降、メンバーは在宅勤務でも支障なく業務を進めるための工夫をしたり、ルールを作ったりしてきました。その結果、繁忙期以外は残業せず、これまでよりも成果を上げられるようになっていました。

 A輔さんは在宅勤務で通勤のストレスがなくなり、精神的にも肉体的にも良好な状態で仕事ができるようになったと感じていました。また、導入したシステムでメンバーとの情報の共有がスムーズにできるようになったり、部門長の決裁をすぐに受けられるようになったりするなど、時間を節約しながら仕事に集中できる環境もできていました。メンバーの多くも在宅勤務を好意的に捉えているようでした。

 しかし、新しい部門長は営業部出身で、在宅勤務になじみがありませんでした。営業部は昨春以降も原則出社で一定の時期だけ交代で在宅勤務をしていました。部門長は異動後、毎日1人だけ出社しています。A輔さんの部署で導入…

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