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コロナ禍でも「生活満足度」がちょっと良くなった事情

田中学
 
 

 日本人で生活に満足を感じる人の割合は2012年以降、継続して伸び、新型コロナウイルス禍の中でも微増していた――こんな調査結果を、野村総合研究所が11月19日に発表した。日本は経済成長が低迷する中、新型コロナで打撃を受けた。一方で、新型コロナによる生活様式の変化が生活満足度を高めている可能性がある。その要因を「収入」と「消費スタイル」から読み解いてみたい。

生活満足度は過去最高

 野村総研が発表したのは「生活者1万人アンケート調査」の結果だ。それによると、生活に満足を感じる人の割合は21年が78%(「満足している」16%、「まあ満足している」62%)で調査開始以来、過去最高だった。この割合は、09年の68%(「満足」11%、「まあ満足」57%)を底にその後は継続して伸び、15年と18年は76%となっていた。

 同調査は、野村総研が1997年以降、3年に1回、全国の15~79歳の男女計1万人を対象に、調査員が対象者を訪問して調査票を渡し、後日回収する「訪問留め置き法」で実施している。景況感や生活価値観、働き方や余暇の過ごし方、消費スタイルや情報との接し方といった幅広い項目を聞く。21年の調査は9回目で、新型コロナ感染の第5波に見舞われていた8月に実施した。

 21年調査で生活満足度が微増したことについて、野村総研は「11年の東日本大震災以降、身近な人と日々平穏に暮らしていけることのありがたさが再認識され、生活満足度が高まっていった。コロナ禍でも生活の中に小さな喜び、小さな満足、安心感を見いだしているのではないか」と分析した。

夫婦がともに正社員で世帯収入が増加

 生活満足度を高めている背景の一つには、安定した収入があることがあげられる。夫婦共働き世帯は増加傾向にある。中でも夫婦がともに正社員で、世帯年収も伸びるケースが増えている。

 同調査の夫婦の就労形態の割合(配偶者のいる世帯のみ集計)を見ると、0…

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