英北部グラスゴーで11月に開かれた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は、石炭火力発電の「段階的削減」を成果文書に盛り込んだ。火力発電に対する逆風が一気に強まった会場には、かつて火力発電事業を統合して事業拡大を目指した日立製作所と三菱重工業が出展していた。一体どんな出展なのか、会場を見に行って驚いた。
COP26のメーン会場から徒歩15分の場所に別の展示会場があった。そこには英国の風力発電大手などと並び、日立製作所のブースがあった。
「日立が古いだけの企業だと思っている人もいますが、この展示を見て日立のイメージがポジティブになる人が多いようです」
日立の英国拠点で働くポール・チャールズさん(53)が視線をやったのは、展示の目玉という電気自動車(EV)のような乗り物だ。でも一見しただけでは何の展示なのか、よくわからない。
もちろん日立がEV製造に乗り出すわけではない。展示の主役はタイヤの内側に隠れる「インホイールモーター」と呼ばれる駆動モーターだ。
駆動モーターは今後普及が見込まれるEVの基幹部品だ。これをタイヤのホイール内に収めることができれば、車内スペースが広くなる。
その分、大容量の電池を搭載することも可能になり、設計の自由度や操縦性の高さから、今までにないEVづくりもできる。耐久性などに課題があり、実用化はまだ先だが、EV時代の到来を見据えた事業展開のアピールだ。
鉄道の燃料電池車や洋上風力も
このほか日立は、エコな移動手段として欧州で再評価されている鉄道向けに、水素を使う燃料電池車両の開発、洋上風力発電で需要が高まる高効率の送電技術に注力する方針を…
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