産業医である私は、ある出版社で人事担当を務める西田さん(仮名、40代女性)から相談を受けました。会社では、編集や記者職を対象に裁量労働制を導入することになりました。西田さんは「対象の従業員の健康管理がこれまでとは変わると思うので、その対策を教えてほしい」といいます。
裁量労働制とは
西田さんの会社は、月刊誌や書籍を刊行しています。いずれも発売日に合わせて、各従業員の繁閑がまちまちです。働き方改革の流れや、新型コロナウイルス感染拡大でテレワーク(在宅勤務)が増えたこともあり、裁量労働制の導入が決まりました。
裁量労働制は、みなし労働時間制の一つです。業務の進め方や時間の配分が大幅に働く人の裁量に委ねられるケースで導入できます。導入する場合は、会社と労働組合(労組がない場合は労働者の過半数を代表する従業員)が労使協定を締結する必要があります。
出版社の編集や記者職は「専門業務型裁量労働制」が導入できる業務です。専門業務型は他にITシステムのプログラマーや、デザイナー、弁護士など19の業務に限り導入できます。裁量労働制にはもう一つ「企画業務型」があり、会社の本社や支社で経営計画に関わる業務などが対象になります。
会社は労働時間の把握を
裁量労働制を導入すると、会社は対象の従業員に対して、具体的な業務の仕方や就業時間を指示しません。1日あたりのみなし労働時間を定め、みなし労働時間が法…
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