巨大化するポイントサービス(2)
買い物で付くポイントサービスが成長している。野村総合研究所によると広く利用できる「共通ポイント」は全国の6割以上の人が2種以上を使うなど、消費生活に定着した。だが、その仕組みは意外に奥深く、経済への影響力も増している。「使っているのに実はよく知らない」ポイントサービスの世界を深掘りしていこう。
「費用から収益へ」会計基準が大転換
ポイントサービスは、特定の企業だけで使える「自社ポイント」と加盟店で広く使える「共通ポイント」がある。共通ポイントはTポイント、Ponta、楽天ポイント、dポイントが4強で、それぞれ利用者数7000万~1億人規模の巨大経済圏を作る。
ポイントは実質的に値引きと同じだが、付与から使うまでに時間差があり仕組みは複雑になる。
例えば商品購入に10%の自社ポイントを付けるケースで考えよう。1万円の商品を売った場合、売り上げはいくらか。実はその会計処理は2021年度に様変わりした。
従来は扱いに規定がなく、顧客が将来使うと見込む未利用分を引当金計上するのが主流で、つまり「費用」とみなしていた。先のケースでは、売り上げは1万円で、ポイント分1000円は引当金に計上し、将来利用があるとそれを取り崩した。
だが、21年4月から上場企業はポイントを「収益」として扱うことになった。「売り上げをいつ認識して財務諸表に反映するか」という「収益認識基準」を強制適用したものだ。
先のケースでみると、新基準では売り値1万円を「商品とポイント」に分ける。本体の売り上げは1万円÷(1万円+1000円)≒9090円。残るポイント分910円は繰り延べ…
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