中国の国会に当たる全国人民代表大会(全人代)が3月11日、閉会した。習近平・中国共産党総書記(国家主席)が異例の3期目入りを目指すとされる党大会を今秋に控え、安定重視の政策が打ち出されたが、世界の注目はロシアによるウクライナ侵攻だ。全人代ではロシアをめぐり、どのような発言や議論があったのだろうか。
全人代には全国の省や直轄市、軍などから選ばれた代表が集う。共産党一党独裁体制で当局の方針に大きな異論が出るわけではないが、私たち特派員にとっては閣僚らの話を直接傍聴できる貴重な取材機会だ。
中国は米国との対立の長期化をにらみ、近年ロシアと関係を強化してきた。プーチン露大統領は北京五輪の開会式出席に合わせて訪中し、習氏と2月4日に首脳会談を行ったのは記憶に新しい。
両氏の対面の会談は、新型コロナウイルスの感染拡大で2年ぶりだったが、これまで何度も顔を合わせており、首脳会談は今回が通算38回目という親密な関係だ。
しかも、今回はロシアのウクライナ侵攻のまさに直前の首脳会談で、共同声明では中露関係を「冷戦時代の軍事同盟にも勝る」と自賛してみせた。
プーチン氏は北大西洋条約機構(NATO)のさらなる東方拡大をしないよう米欧に求め、露大統領府が公表した共同声明によると、習氏はNATOの東方拡大に反対すると表明したという。
それだけにロシアのウクライナ侵攻後も、中国がロシアに肩入れすれば世界から孤立しかねない。今回の全人代の注目ポイントは、まさに習氏ら幹部の発言や代表との議論にあった。
「経済制裁は不利益もたらす」
「平和の回復のため国際社会とともに積極的な役割を果たす意志がある」
「(西欧諸国の)制裁は世界経済の回復に打撃を与え、すべての関係者に不利益をもたらす」
李克強首相は…
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