SMBC日興証券を巡る株価操縦事件は、東京地検特捜部が新たに副社長を逮捕する事態に発展した。副社長は三井住友銀行の常務執行役員から2019年にSMBC日興証券に移った銀行出身者だ。「銀行の関与は?」「地検の狙いは?」――。金融界が固唾(かたず)をのんで見守っている。
SMBC日興証券の近藤雄一郎社長は副社長が逮捕された3月24日、午後8時半から記者会見した。記者から「銀行の関与は? 社長ご自身どう考えているのか」との質問が出た。
近藤氏は「捜査に関連する内容なので、回答は控えさせていただきたい」とだけ答えた。SMBC日興証券は三井住友フィナンシャルグループの100%子会社で、銀行出身者は多い。ただし、近藤氏自身は日興証券からの生え抜きだ。
三井住友グループに衝撃と不安感
地検特捜部はこれまで、専務執行役員ら4人を金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕し、起訴した。会社も起訴した。また、証券取引等監視委員会は23日に、4人に加え別の3人を含めた計7人を同じ容疑で特捜部に刑事告発した。
7人は専務執行役員、執行役員2人、部長2人、副部長、課員だ。これだけでも証券業界では過去にはない出来事だ。さらに、舞台となったエクイティ本部を所管する銀行出身の副社長まで追及の手が伸びたことに三井住友グループ内に衝撃が走っている。
副社長の逮捕に至る特捜部の動きは速い。ただし公判に影響するとの理由で、相場操縦に副社長がどう関わったか、検察当局から詳しい説明が乏しい。当局の意図を読みにくく、グループ内に不安感や疑心暗鬼が広がっている。
ブロックオファー取引
問題になったのは、エクイティ本部の幹部らが行った「ブロックオファー」と呼ばれる取引に関するものだ。幹部らが行った会社の自己資金による株式の買い付けが、金融商品取引法に違反したとされた。
同法は、株価を安定させる目的で行う取引を相場操縦として禁止している。ただし例外として、株式の募集や売り出しを円滑に行うなどの目的で買い支えて価格の安定…
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