高額マンションは実勢価格よりも相続税評価額が大幅に低くなるため、富裕層が相続節税対策に利用することが多い。この手法を使い、相続税を「ゼロ」と申告した相続人が、国税当局から約3億3000万円を追徴課税されたのを不服として起こした裁判で、最高裁は4月「課税は適法」とする判断を示した。ただし、どの程度なら問題なのか判断基準ははっきりしない。今後の相続節税にはより慎重さが求められそうだ。
マンション2棟を約14億円で購入
訴えを起こした男性の父親は2009年、マンション2棟を計13億8700万円(8億3700万円と5億5000万円)で購入した。その手当てとして金融機関から10億800万円の融資を受け、男性からも4700万円を借り入れた。
父親は12年に94歳で亡くなった。相続人は男性ら3人で、遺言でマンション2棟は男性が相続した。
国税庁は相続財産の評価方法について、土地については路線価で評価するなどの原則を示す通達を出している。男性は通達通りに路線価などをもとに2棟の相続税評価額を計3億3370万円と評価した。借入金などを差し引いた課税価格は計2826万円で、相続税の基礎控除に収まり、「相続税額ゼロ」と申告した。
だが、通達では、原則で評価すると「著しく不適当」と認められる場合は「国税庁長官の指示を受けて評価する」という例外規定がある。いわば「伝家の宝刀」だ。
税務署は、この例外規定を適用した。不動産鑑定士によるとマンション2棟の鑑定評価額は計12億7300億円だった。これに基づき、課税価格を8億8874万円とし、過少申告加算税を含む約3億3000万円を追徴課税した。男性はこれを…
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