スルガ銀不正融資の今(4)
スルガ銀行から巨額の借金をし、中古賃貸マンション・アパートの1棟物件を購入した438人が「借金帳消し」を求めている。438人が借金した当時の状況を調べると、新たな事実がいくつも浮かび上がってきた。その一つが、27件の融資契約を担当した営業担当行員の存在である。
438人から委託された被害弁護団は、スルガ銀行に融資当時の審査資料を開示するよう求め、不正融資の実態を調べてきた。この調査で、多数の融資を担当した行員が浮かび上がった。ここではI行員と呼ぶ。4年間にわたり中古物件27件の融資を担当し、開示された資料などでこのうち24件で不正が判明した。
中古物件の融資契約を担当した行員は、約60人ほどの名前がわかっている。I行員以外では、行員2人が組んで担当して50件の融資契約をしたケースがあった。ただ、単独で担当した数としてはI行員が最も多い。
東京支店から名古屋支店へ
27件のうち、I行員が最初に融資契約を結んだのは2013年10月だ。当時は東京支店(東京都中央区日本橋)に所属し、その後名古屋支店に異動したとみられる。東京支店はスルガ銀行のなかでも中古物件への融資を集中的に行っていた部署だ。
I行員が担当した融資契約は13年はその1件だけ。14年ゼロ、15年12件、16年4件、17年10件の中古物件の融資契約をした。18年にシェアハウス向けの不正融資が発覚し、ほどなく中古賃貸物件にも問題が広がったため、18年以降はない。
I行員が担当した27件のうち、スルガ銀行から24件の審査書類の開示を受けて不正の有無を確認した。すると、自己資金の改ざんが24件で見つかった。購入者が実際には支払っていない手付金の領収書偽造が22件あった。
投資の判断基準になる家賃一覧表(レントロール)の改ざんも19件で判明した。担当した融資契約で偽造、改ざんが常態化していたことがわかる。
窮地に立つ男性に「ローンを借りて」
このI行員が担当し、融資契約を結んだ男性に話を聞いた。東京都に住む30代の会社員だ。友人から仲介業者を紹介され、15年に大阪市の中古物件2棟を合計3…
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