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スルガ行員と業者との「ズブズブの関係」不正の温床に

今沢真・客員編集委員
東京地裁前で借金帳消しを訴える購入者=東京都千代田区で2022年2月4日、今沢真撮影
東京地裁前で借金帳消しを訴える購入者=東京都千代田区で2022年2月4日、今沢真撮影

スルガ銀不正・弁護士に聞く(中)

 スルガ銀行の不正融資は、行員と不動産業者の「ズブズブの関係」が引き起こした前代未聞の不祥事――。これが被害弁護団の事務局長を務める五十嵐潤弁護士(56)の見立てだ。五十嵐さんは「行員が何もしなくても業者が物件と客を探してきた」と指摘する。

 ――スルガ銀行の中古賃貸マンション・アパート向け融資では、多くの購入者が物件を事前に見ていません。巨額の借金なので確認するのが普通だと思うのですが。

 ◆不動産仲介業者は、例えば東京の顧客には北海道や九州といった地縁や血縁のない物件を紹介しています。業者は「スルガ銀行の仮審査を通った優良物件です」と売り込むのです。家賃一覧表も収支見通しも示します。

 客が「見に行きます」というと、業者は「いや、見に行く必要はないです」と止めるのです。スルガ銀行の行員から「私が見てきましたから、行く必要ありません」と言われた購入者もいます。

遠隔地の物件を「優良物件です」

 ――簡単に見に行けない物件を紹介しているんですか。

 ◆購入者438人のデータを分析すると、住居近くの物件はほとんどなく、遠くの物件ばかりです。証拠はないですが、わざととしか思えません。それでも購入者の中には確認しに行き「満室のように見えた」と言う人もいます。業者がカーテンをかけ入居を偽装しているのです。

 スルガ銀行の審査部門の行員が物件を現地調査したことがあり、業者の偽装が間に合わなかったので、営業担当の行員が自分でカーテンをかけたこともあるそうです。これは業者の証言です。行員と業者がズブズブの関係でした。

 ――スルガ銀行と不動産業者が「投資セミナー」を共催していたと聞きます。

 ◆銀行は数多くの業者と組んで、投資に興味のある客を集めてセミナーを開き、物件を紹介していました。セミナーに出て購入したのは全体の1割くらいです。数は多くないですが、「銀行の姿が見える」という意味では象徴的です。2013年から15年くらいにしばしば開いていました。

 これは「たき火の火ダネ」でした。セミナーを多数開いたことで不動産業者に「スルガ銀行にはこういう融資をしてもらえる…

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客員編集委員

 1983年毎日新聞入社。89年経済部。日銀・財研キャップ、副部長を経て論説委員(財政担当)。15年経済プレミア編集長。24年6月退職し、客員編集委員。16年に出版した「東芝 不正会計 底なしの闇」(毎日新聞出版)がビジネス部門ベストセラーに。ほかに「東芝 終わりなき危機」「日産、神戸製鋼は何を間違えたのか」など。16~18年度城西大非常勤講師。