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ロシア進出の日系企業「撤退か残留か」迫られる選択

川口雅浩・経済プレミア編集部
米マクドナルド撤退後、ロシア資本で営業を再開したハンバーガーショップ=ロシア・モスクワ市内で2022年6月、ジェトロ・モスクワ事務所撮影
米マクドナルド撤退後、ロシア資本で営業を再開したハンバーガーショップ=ロシア・モスクワ市内で2022年6月、ジェトロ・モスクワ事務所撮影

ジェトロ・モスクワ事務所長らに聞く(下)

 ロシアのウクライナ侵攻を受け、ロシアに進出している日系企業は撤退か残留かを迫られている。日本貿易振興機構(ジェトロ)モスクワ事務所の梅津哲也所長とサンクトペテルブルク事務所の島田憲成所長に現地の様子をオンラインで聞いた。欧州では「ロシアでビジネスをやるなら、日系企業の商品は買わない」という消費者も出ているという。

 ――ロシアに進出している日系企業のうち、現地から撤退を表明したのは全体のわずか4%にとどまることが、ジェトロの5月の調査で明らかになりました(「『撤退か残留か』ロシア進出の日系企業の悩みとは」参照)。残る96%の企業は様子見で、当面は残留するということでしょうか。

 ◆梅津さん 日系企業が様子見をするにしても、今は営業活動ができない状況です。赤字を計上しながら、どこまで生き延びられるか、各社とも判断を迫られているのだと思います。現時点では残留でも「今後の対応は不明」という回答が3割くらいあり、今後どうなるのかはわかりません。

欧州の消費者からクレームも

 ――外国企業がロシアから撤退した場合、ロシア政府が接収するという法案がロシアの国会で審議中のため、日系企業は考えあぐねていると聞きます。

 ◆それも(撤退が5月時点で4%と少ない)一因だと思います。ただ、「接収」といっても、厳密には政府系金融機関や地方政府関係者など「外部管理者」が、日本でいう破産管財人のような立場で派遣されるものです。接収というと「国有化」のようなイメージですが、厳密には意味合いが違います。

 法案は議員立法で修正案が出ており、少しソフトになってきています。法案の行方は…

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経済プレミア編集部

1964年生まれ。上智大ドイツ文学科卒。毎日新聞経済部で財務、経済産業、国土交通など中央官庁や日銀、金融業界、財界などを幅広く取材。共著に「破綻 北海道が凍てついた日々」(毎日新聞社)、「日本の技術は世界一」(新潮文庫)など。財政・金融のほか、原発や再生可能エネルギーなど環境エネルギー政策がライフワーク。19年5月から経済プレミア編集部。