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資産所得倍増「岸田プラン」NISA拡充の方向性は?

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

資産所得倍増プランの「NISAとイデコ」(1)

 政府が年末に策定する「資産所得倍増」プランは、少額投資非課税制度(NISA)や個人型確定拠出年金(iDeCo、イデコ)の拡充が中心になる。NISAは、時限措置である制度の恒久化や、非課税枠の増額が焦点になる。その方向性を考えよう。

一定条件下で運用益が非課税

 NISAは英国の資産形成促進制度ISAを手本に2014年、スタートした。株式・投資信託の運用益には一律約20%の税がかかるが、NISAでは一定条件下で非課税になる。非課税投資枠は「年間投資枠×非課税期間」の二つの要素で定めている。

 NISAには現在、一般、ジュニア、つみたて――の三つがある。

 一般とジュニアは「23年まで」の制度だ。一般は年間投資枠120万円が5年間非課税になる。ジュニアは未成年者が対象で、年間投資枠80万円が5年間非課税になる。つみたては「42年まで」の制度で、年間投資枠40万円が20年間非課税になる。

 一般とつみたては併用できず、どちらかを選ぶ。一般とジュニアの投資対象は現物株など幅広いが、つみたては「長期・積み立て・分散」投資に向く低コスト投信に限定する。

 24年から、一般は期限を「28年まで」に5年延長したうえで、「2階建て」の新NISAに移行する。1階部分は年間投資枠20万円で投資対象はつみたて同様の投信に限定、2階部分は同102万円で一般同様に幅広く投資できる。ジュニアは23年で廃止する。

NISA「使いにくさ」の制約

 岸田文雄首相は5月「貯蓄から投資へ」を促す資産所得倍増プランを打ち出した。政府の「骨太の方針」は6月、NISA拡充やイデコ改革などで、22年末にプランを策定すると明記した。

 NISA拡充は(1)制度の恒久化(2)非課税投資枠の拡大――が焦点だ。自民党金融調査会、日本証券業協会、投資信託協会がそれぞれ公表した提言でも、これらは共通する。

 現在は制度が時限措置であるため、利用者が長期投資したくても、期限切れ後の課税の扱いに不安が残る。

 非課税投資枠は、年間投資枠と非課税期間のそれぞれで制約が大きい。

 年間投資枠は、英ISAの2万ポンド(約330万円)と比べても小さく資産形成効果が弱い。非課税期間があるため、期間終了時に、買い付け分を売却するか新たな非課税枠に移す(ロールオーバー)かの投資判断を迫られる煩雑さがある。

 では、なぜNISAはこうした制限を設けているのか。その理由を考えると、拡充の方向性が見えてきそうだ。

 NISAが時…

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経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。