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パワハラ上司から「部下を守れず」中間管理職の苦悩

井寄奈美・特定社会保険労務士
 
 

 A輔さん(32)は認定こども園で事務の仕事をしています。A輔さんはここで働き始めて4年目になります。最初は契約社員でしたが、今年4月から正社員になることができました。肩書も「主任」となり、A輔さんが昇格したタイミングで採用された契約社員のB絵さん(26)という部下もできました。

 しかし、同じく4月に同園に赴任してきた事務長のC子さん(46)のパワーハラスメントともとれる厳しい指導からB絵さんを守ることができず、B絵さんは8月末で退職することになってしまいました。A輔さんはB絵さんを守れなかったことを悔やんでいます。

職場を転々したが

 A輔さんは他人とコミュニケーションを取ることがあまり得意でありません。新卒で入社した会社は3カ月で退職し、その後も転職を繰り返しました。今の職場は6社目です。3年以上同じ職場で働き、部下を持ったのは今回が初めてでした。

 C子さんの前任の事務長は、A輔さんがコツコツと細かい作業をするのが得意だと見抜き、仕事の割り振りを工夫してくれました。与えられた仕事をこなしていたら、全体の仕事がわかり、いつの間にか苦手と感じていた他人との折衝や共同作業もできるようになっていました。

 4月にB絵さんを見た時、A輔さんは過去の自分を見るようだと感じました。B絵さんも新卒で入社した会社をすぐに退職し、短期間で転職を繰り返していました。他人とのコミュニケーションも苦手なようで、作業能力も高いとはいえず、パソコンの操作もおぼつかなく、すべてにおいて自信がなさそうで、おどおどしていました。

 A輔さんは、前の事務長が自分に仕事を教えてくれた時のように、B絵さんが進めやすい仕事からひとつずつ渡していくことにしました。できる仕事を増やすことが自信につながることを経験上知っていたからです。

イライラする管理職

 しかし、新しくやってきたC子事務長は…

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特定社会保険労務士

 大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/