なるほど電車ニュース フォロー

お得だった新幹線と特急「乗り継ぎ割引」廃止が進む事情

土屋武之・鉄道ライター
松山発岡山行きの特急しおかぜ
松山発岡山行きの特急しおかぜ

 JR西日本が新幹線と特急列車の乗り継ぎ割引制度を2023年4月1日から一部廃止すると発表した。JR四国も同様でこちらは全廃だ。

 これにより岡山から新下関までの各新幹線駅や、香川県の高松駅、坂出駅で特急列車を乗り継ぐ場合、現行の割引制度を利用できなくなる。

 同制度はJR九州がすでに全廃し、JR東日本でも制度を適用できる乗り継ぎ駅が大幅に縮小している。なぜ廃止や縮小が続いているのだろうか。

鉄道旅行で重宝された制度

 JRの乗り継ぎ割引とは、2本の特急列車を特定の駅で当日中に乗り継ぐ場合、どちらかの列車の特急料金が割引となるサービスだ。事前に特急券をまとめて購入することが条件となる。このうちよく知られるのが新幹線と在来線特急を乗り継ぐケースで、在来線の特急料金が半額になる。

 例えば新幹線「のぞみ」で東京から岡山まで行き、特急「やくも」で松江へ向かう場合、東京―岡山間の特急料金は指定席で通常期6990円、岡山―松江間は2730円だ。ここに乗り継ぎ割引が適用され、岡山―松江間の特急料金は1360円(10円未満の端数は切り捨て)となる。合計では9720円が8350円になり、差額で駅弁が買えるくらいの節約だ。

 また在来線特急から新幹線に乗り継ぐ場合は、翌日になっても割引が適用される。夜行列車が多数運転されていた時代の名残だ。さらに片道だけでなく、往路は在来線特急、復路は新幹線という組み合わせでも適用になるケースが存在するなど、昔から鉄道旅行に重宝されたサービスだった。

乗り継ぎ割引の始まり

 だが乗り継ぎ割引は他の割引制度と比べ、始まった経緯が少々…

この記事は有料記事です。

残り1126文字(全文1802文字)

鉄道ライター

1965年、大阪府豊中市生まれ。大阪大学で演劇学を専攻し、劇作家・評論家の山崎正和氏に師事。出版社勤務を経て97年に独立し、ライターに。2004年頃から鉄道を専門とし、雑誌「鉄道ジャーナル」のメイン記事などを担当した。東日本大震災で被災した鉄道路線の取材を精力的に行うほか、現在もさまざまな媒体に寄稿している。主な著書に「ここがすごい!東京メトロ」(交通新聞社)、「きっぷのルール ハンドブック」(実業之日本社)など。