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マスク氏の「スターリンク」日本利用開始とKDDIの戦略

石野純也・ケータイジャーナリスト
KDDIは法人や自治体にスターリンクのサービスを提供。右が法人用のアンテナ、左は個人用
KDDIは法人や自治体にスターリンクのサービスを提供。右が法人用のアンテナ、左は個人用

 米国の起業家イーロン・マスク氏が率いるスペースX社が、衛星通信「スターリンク」のサービスを日本で始めた。

 一般の利用者は、同社のサイトから申し込んで契約できる。通信に使うアンテナやルーターなどの機器代が7万3000円必要で、通信料金は月1万2300円。当初は東日本、東北、南北海道がサービスエリアだが、近く他の地域にも拡大する予定だ。

 スターリンクの衛星は高度550キロと人工衛星としては低軌道なため、通信速度は下りで毎秒360メガビット(Mbps)とスマートフォンの4G並みに速い。衛星と通信するアンテナ機器からワイファイ電波を飛ばすことでスマホやパソコンとつながる。ロシアによるウクライナ侵攻の際、マスク氏がいち早くウクライナに多くの通信機器を提供したことでも注目を集めた。

KDDIはさまざまなサービスを提供

 KDDIは2021年9月にスペースX社と契約を結んで日本で初めての認定事業者になっており、スターリンクのサービスを法人、自治体向けに提供する。

 スターリンクの単体利用だけでなく、導入支援やLAN環境の構築、クラウド、セキュリティーサービスなどを総合的にサポートできるのがKDDIの強みだ。災害時のバックアップ回線などとして契約する法人や自治体も増えそうだ。

 KDDIは、非常時や海上での通信用に、イリジウムやインマルサットと呼ばれる衛星通信サービスも提供している。ただ、これらで使う衛星はいずれもスターリンクより高度が高く、通信速度は…

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ケータイジャーナリスト

1978年、静岡県生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。2001年、宝島社に入社。当時急速に利用者数を伸ばしていた携帯電話関連のムック編集に携わる。05年には独立してフリーランスのジャーナリスト/ライターに転身。通信事業者、携帯電話メーカー、コンテンツプロバイダーなどを取材、幅広い媒体に原稿を執筆する。業界動向を記したビジネス書から、端末の解説書まで著書も多い。