日本総研・河村小百合氏に聞く(上)
「日銀が何もしなければ、来春までに1ドル=150円を大きく超える円安があるかもしれない」。日本総合研究所の河村小百合主席研究員は円安によるインフレを食い止めるため、「今から少しでも金融政策を修正すべきだ」と主張する。財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の臨時委員も務めるエコノミストが円安と日銀の金融政策に危機感を募らせる理由とは?
――歴史的な円安局面が続き、10月には一時1ドル=151円台まで円安が進みました。11月中旬には1ドル=138円台に戻る場面もありましたが、現状の円相場をどう見ますか。
◆今の円安の根本的な原因は、世界的な高インフレ局面にもかかわらず、日銀だけがかたくなに金融緩和の姿勢を崩さないことにあります。長い目で見た時、為替相場を決める一番の基本的な要因は金利差だと思います。国際収支の悪化やウクライナ侵攻の影響もありますが、日本の長期金利がもう少し海外と連動して上がっていれば、ここまでの円安にはならなかったでしょう。
日銀は短期の政策金利だけでなく、長期金利まで抑えつける「イールドカーブ・コントロール(YCC=短期金利と長期金利を一定水準に誘導する金融政策)」と呼ぶ金融政策を行っています。海外の中央銀行は短期金利をコントロールしても、長期金利まで抑えつけるような金融政策はしていません。
1万円が7000円に目減り
――ウクライナ侵攻が始まった2月24日は1ドル=115円でした。ここから1ドル=151円まで約30%の急激な円安が進みました。1万円の価値がドル換算でその分目減りした計算です。国民生活に与える影響をどう見ますか。
◆海外から1万円札で7000円分のモノやサービスしか買えなくなったということです。日本の国力が落ちていることを意味しています。円安が一段と進行すれば輸入物価が上昇し、市民の暮らしがさらに厳しくなりかねません。
ガソリン代も電気代も食料品代も上がってきています。岸田文雄首相が賃上げを求めても…
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