稲盛和夫のことば(13)
厳しい要求をしてきた相手に感謝する。会社発展の恩人と思って、そのつらさをポジティブに受け止めて努力する。
「経営のこころ」PHP研究所(122~126ページ)
松下に鍛えられる
大学を出て最初に就職した会社でファインセラミックスの研究をしていて、最初につくったのがU字ケルシマという製品です。当時、松下電子工業(以下、松下。現パナソニック)がテレビのブラウン管をつくり始めていました。ブラウン管に必要な絶縁材料に適したものがないというので、私が開発したものを使ってくれた。それが京セラ創業の製品でもありました。
その製品は「私しかつくれないものだ」と私は思っていましたが、松下側からしてみると、すでにオランダのフィリップス社から輸入をしていたため、日本で買えなければオランダから輸入して買えばいいと思っておられた。そのなかで日本では私が安くつくるので、私に依頼があった。つまり松下の下請けをやっていたのです。
すると、松下からは毎年、何回となく「値段を安くしてほしい」という交渉があるわけです。ブラウン管の生産がどんどん増えていくと、「今まで毎月5万本発注していたけれど、今度は6万本、7万本になって量が増えたのだから、値引きをするように」と言われるのです。さらに、10万本になったから、15万本になったから、あるいは生産を始めて2年経(た)ったから、と値下げを言ってくる。
「もう、いよいよ下がりません。これ以上は下がりません」と言うと、「だったら確かめるため、決算書を持ってきなさい」と言われる。もう腹が立って、腹が立って、「もう下がらないのです」と言って喧嘩(…
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