半導体「最前線」(下)
半導体の開発競争の主戦場は、3ナノメートル(ナノは10億分の1)の製品から2ナノ品に移りつつある。競争の2大勢力は台湾積体電路製造(TSMC)と韓国サムスン電子だ。両社一騎打ちの構図を打破すべく、「日の丸半導体」のラピダスが新たに名乗りを上げた。
ラピダスは2022年秋に設立された会社だ。設立発表と同時に、官民が協力して2ナノ品の量産を目指すと発表した。「周回遅れ」の日本勢が、台湾、韓国勢と本当に戦えるのか。その話に入る前に、TSMCとサムスンの技術開発の最先端を見てみよう。
半導体受託生産で世界最大手のTSMCは22年12月に、いま最も技術が進んでいる3ナノ品の量産を始めた。3ナノ品は5ナノ品より処理速度が10~15%アップし、消費電力は25~30%抑えられる。TSMCは3ナノ品を半導体大手インテルやスマートフォン大手アップルなどに供給する。
一方のサムスンはTSMCより半年前の同6月、3ナノ品の量産開始を宣言した。ただ顧客名を明かしておらず、高い歩留まりを実現しているのか疑問視されている。
2ナノ品で先陣争い
両社とも「3ナノ量産」と同時に、2ナノ品の開発にも取り組んでいる。2ナノ品は3ナノ品に比べて処理速度がさらに10~15%高まり、電力消費を25~30%抑制する。
TSMCは2ナノ用の工場を台湾北部の新竹市と中部の台中市に計6棟建設する予定だ。25年の量産開始を目指す。
一方、サムスンも25年に2ナノ品、27年にその先の1.4ナノ品を量産するスケジュールを明らかにしている。25年には、TSMCとサムスンが2ナノ品の量産で先陣争いを演じる見通しだ。
官民挙げてのラピダス
2社との競争に名乗りを上げたのが「ラピダス」だ。トヨタ自動車やソニーグループ、NTTなど8社が73億円を出資し、22年11月に設立した。米IBMと提携し、27年に2ナノ品の量産を目指す。経済産業省が全面的に後押しし、まず補助金700億円の助成を決めている。
日本勢は1980年代には半導体の世界シェアの半分を占めた。だが、日米貿易摩擦による米国の圧力や、台湾、韓国勢の追い上げでシェアを落とした。経産省は…
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