東京都在住のTさん(85)は長らく福祉関係の仕事に関わり、退職後はその知識を生かして、障害者のボランティア活動に取り組んできた。毎日忙しく、人と会う機会も多いため、今も十分現役のつもりでいる。だが、このところ、同年代の友人や知人に相次いで不幸があり、自分の相続対策が気がかりになってきた。
相続対策は「孫たちへの支援」
Tさんの財産は、自宅の土地・建物、380平方メートルの駐車場、海沿いにある別荘に預貯金と有価証券といったところだ。自分に万一のことがあれば、妻(82)と子2人の計3人が相続人になる。
駐車場は亡父から相続したものだ。Tさんは、自分の相続では、この駐車場を売れば納税費用が捻出できるため、家族が自宅を処分するような最悪の事態にはならないだろうと、ばくぜんと考えていた。
相続対策について、Tさんは妻に相談してみた。すると妻は「今さら相続対策といっても、時間やお金がかかるだろうから、もういいのでは」と言う。
それでも、Tさんは「今さらでも何かできることはあるはずだ」と思った。
子2人は結婚・独立し、それぞれ子2人がおり、しっかりと自分たちの生活を築いている。Tさんにとって何より安心できることだ。
だが、今後、孫たちの教育費の負担が重くなってくるだろう。それなら、相続対策は子のためではなく、孫たちの将来への支援として、取り組んではどうだろうか。そう考えると、Tさんはがぜんやる気が出てきた。
駐車場「マンションに買い替え」のメリット
何ができるだろうか。
これまでは、相続人である家族が駐車場を売却すれば納税資金になると考えていた。だが、どうせ売却するのなら、Tさんが生前…
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