A輔さん(24)は入社2年目の営業マンで、6月に本社から地方都市の営業所に異動となりました。配属が決まった時、本社の先輩社員から「あそこの営業所のB所長はやり手だがくせ者だぞ。特に酒席では気をつけた方がよい」と言われ、ちょっと不安になりました。
A輔さんは酒を飲みません。自分から積極的に酒席に参加することはないため、あまり影響はないと考えて赴任しました。ところが先日開かれたA輔さんの歓迎会で、いきなりB所長のひょう変ぶりを目の当たりにすることになり、強い衝撃を受けました。このまま、この職場で仕事を続けることができるのか、とても不安に感じています。
「伝説の営業マン」だったが
現在54歳のB所長は本社の営業部で何年も売り上げ記録を更新し続けた「伝説の営業マン」でした。それゆえに管理職になってからは、仕事を覚えるのが遅い部下や同じミスを繰り返す部下には当たりが強くなっていきました。
本社時代、B所長は「どこを見て仕事してるんだ。おまえの頭の中はからっぽか」「修正作業で日が暮れるなんて、この給料泥棒め」などの発言が目立ちました。このため部下が精神的にまいってしまい、会社に来られなくなってしまったそうです。そうした経緯もあり、B所長は今の営業所に異動になったようでした。
「無礼講でいきましょう」
A輔さんの歓迎会で、B所長は冒頭「今日は久しぶりに全員がそろいました。無礼講でいきましょう。普段言いにくいことも、どんどん言ってきてください」とあいさつしました。
A輔さんはB所長の隣でした。B所長は酒が強く、どんどんピッチが上がっていきます。A輔さんに何度も酒を勧めてきましたが、ハッキリ断り続けると諦めたのか、ビール瓶を持って他の席に移動し始めました。
B所長は女子社員たちにも酒を勧め、自分はそれ以上に飲んでいました。B所長にしつこく絡まれ困っている女子社員を見かね、営業部の男性数人が間に入ったところ、何か気に障ることがあったのか、突然B所長が暴れだしました。
膳がひっくり返り…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







