今年も残り2カ月。年末が近づくと「ふるさと納税」が気になる人は多いだろう。実質負担2000円で地方の特産品が得られる「お得感」から、2022年は寄付額が1兆円に迫るなど浸透している。一方、自治体間の返礼品競争は収まらず、10月からは返礼品ルールがさらに厳格化された。家計にとってはお得な制度でも、税制に不公平をもたらすひずみは大きく、制度のありかたも曲がり角にある。
経費総額「寄付金の5割以下」を徹底化
ふるさと納税は、実際には税ではなく、都道府県や市区町村など自治体への「寄付」だ。自治体に寄付をすると、2000円を超える分は所得税と住民税から控除する制度だ。
この制度は、菅義偉前首相が総務相時代に肝煎りで導入した。08年の開始当初は利用が低調だったが、11年の東日本大震災で復興支援として注目され、返礼品の比較や納税申し込みができる民間ポータルサイトが増えて活用が広がった。利用には原則、確定申告が必要だが、会社員らには確定申告なしで済む「ワンストップ特例」が15年に導入され、使い勝手が高まった。
総務省によると、22年の寄付額は9654億円と3年連続で過去最高を更新。住民税の控除を受けた人は891万人で、住民税納税義務者の1割強が利用した計算だ。
その一方で、自治体が寄付を呼び込もうと、過度な返礼品を提供する競争が過熱して問題化した。19年には、自治体が寄付を募集する経費総額は寄付金の5割以下とし、返礼品は「地場産品に限定して、寄付額の3割以下」とするルールを導入し、守らない自治体は対象から外す指定制度を設けた。
10月から、このルールをさらに徹底した。
経費総額は、広報費用や返礼品の送料だけでなく、…
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