ひどく混雑する通勤ラッシュはつらいもので、座って通えるならそれに越したことはない。こうした需要に応えるため、追加料金を支払えば着席乗車を保証する「座席指定サービス」が、この10年あまり大手私鉄を中心に広まっている。
1編成丸ごと座席指定制にするケースと、一部の車両のみの「座席指定車両」がある。
このサービスはコロナ禍で通勤客が激減した際、存在意義が揺らいだが、感染状況の落ち着きとともに再び需要が増してきている。今回はその歴史や、関東と関西のサービスの違いを見ていきたい。
始まりは小田急
関東でルーツと言えるのは1967年、小田急電鉄が夕方に新宿から回送列車として走らせていた特急ロマンスカーを、新原町田駅(現在の町田駅)までの営業列車に変更したあたりだ。
その後、観光やビジネス出張用に座席指定の特急列車を運行していた西武鉄道や東武鉄道、京成電鉄なども、ラッシュ時間帯に特急型電車を使って通勤客輸送に充てるようになった。鉄道会社にとっても特急料金分が増収になる上、既存車両の有効活用もできて一石二鳥だった。
ところが関東の私鉄では近年、それまで座席指定の特急列車が走っていなかった路線にも、座席指定制の通勤列車を走らせるようになった。わざわざ専用の電車を新たに製造した上での導入だ。
先駆けは2008…
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