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60歳退職で収入減「住宅ローン」繰り上げ返済どこまで?

岩城みずほ・ファイナンシャルプランナー
 
 

 会社員のAさん(59)は60歳定年を控え、リタイアメントプラン(退職後の資金計画)の検討をしています。定年退職後は再雇用で働く予定ですが、収入が大きく減る見通しのため、住宅ローンの見直しを考えています。

 退職後の支出を減らすために保険の見直しと合わせ、ぜひ考えたいのが住宅ローンの見直しです。

 住宅ローンの返済額は家計支出の中でも大きな割合を占めます。ローン返済期間が35年という人も多く、住宅の購入時期によっては70歳くらいまで返済期間がある人も少なくありません。年金生活に入る前に完済あるいは負担を軽減できるように見直してみましょう。

家計の貸借対照表(B/S)を

 住宅ローンの見直しには、退職金などを使って、(1)ローン残高を一括返済する(2)残高の一部を繰り上げ返済する――という方法があります。

 退職金や預貯金からの一括返済が理想的ですが、金融資産残高が少なくなりすぎると不安も生じます。まずは家計資産の状況を把握しましょう。

 いわゆる家計の貸借対照表(B/S)を作ってみましょう。左(借方)に預貯金などの資産の額、右(貸方)に住宅ローンなどの借入金の額を入れます。

 住宅は住み続けることを前提にしていますので、住宅の資産価値については考慮しません。金融資産残高から借入金残高を差し引いたものが純資産です。これが老後資金になります。

 公的年金だけでは足りない分を貯蓄から補いますが、年間の取り崩し額が50万円とすれば、老後35年間では1750万円です。一括返済をしても1750万円が残るならローン残債の返済を検討しても良いでしょう。一括返済をすると老後資金が確保できない場合は、残高の一部の繰り上げ返済を検討しましょう。

 繰り上げ返済とは、毎月の返済額とは別にまとまった額を返済する方法です。返済したお金は元本に充てられるため、その分の支払利息が消え、総支払額を減らすことができます。

 基本的には…

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ファイナンシャルプランナー

CFP認定者、社会保険労務士、MZ Benefit Consulting 代表取締役、オフィスベネフィット代表、NPO法人「みんなのお金のアドバイザー協会」副理事長。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客本位の独立系アドバイザーとして、家計相談、執筆、講演などを行っている。著書に「結局、2000万円問題ってどうなったんですか?」(サンマーク出版)など多数。