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25歳バイト掛け持ち「確定申告」しないと損する?

井寄奈美・特定社会保険労務士
 
 

 A輔さん(25)はガソリンスタンドと自動車整備の二つのアルバイトを掛け持ちしています。アルバイトは気楽で、収入にも困りませんが、それぞれのアルバイト先で「給料の税金の計算をどうするか」と聞かれ、悩んでいます。

 A輔さんは専門学校を卒業後、自動車整備工場で正社員として働き始めました。ところが拘束時間が長く、給料から引かれる社会保険料の負担が思っていたよりも大きいことに嫌気が差し、1年足らずで退職しました。その後、アルバイトを転々とし、生活に困らない程度の稼ぎはあります。

 アルバイトは気楽です。A輔さんは働きたい時に働き、休みたい時に休むことができます。時間給なので、お金が足りない時は多めにシフトに入り、休みを優先したい時はシフトを減らすことで対応できます。

 A輔さんは社会保険料や税金の負担も面倒だと考えていました。アルバイト先からは「恒常的に週30時間以上働くと、社会保険に加入してもらうことになる」と言われたため、二つのアルバイト先で勤務時間を調整し、いずれも週30時間未満の勤務となるよう調整しています。

 税金については、それぞれのアルバイト先で「給料の税金の計算をどうするか」と聞かれました。「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出すれば、年末調整をしてもらえます。ただし、一つの就労先で年末調整をする場合、もう一方の会社では年末調整ができず、確定申告が必要だと言われました。

 A輔さんは正社員で働いていた時、年末調整の手続きが面倒だったことから、いずれの会社にも「年末調整はしてもらわなくて結構です」と伝え、「給与所得者の扶養控除等申告書」も提出しませんでした。

 ところが先日、正社員で働いている友人と食事をした際、「12月の給料は年末調整で税金の還付があったので手取りがいつもより多くて助かった」という話を聞きました。このため、面倒でも、いずれかの勤務先で年末調整をしてもらった方が…

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特定社会保険労務士

 大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/