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「シンデレラ登用」と言われない女性首相誕生はいつ?

山田道子・元サンデー毎日編集長
サンデー毎日に掲載された記事
サンデー毎日に掲載された記事

 「激震 自民党裏金事件 初の女性首相『上川陽子』挙党内閣が誕生する!?」。1月4日発売のサンデー毎日にこんな見出しが躍った。今年の政局を予測するベテラン記者の匿名座談会を記事にしたものだ。

 座談会ではポスト岸田文雄首相を論ずる中で、放送記者が次のように語る。

 「自民党の危機となれば麻生太郎党副総裁と菅義偉前首相が話し合う可能性もある。その時の候補が上川外相。『初の女性総理』で一番理由がつく」。この記事だけでなく、他のメディアでも上川氏の名前が「ポスト岸田」の候補に挙がっている。

 当の上川氏は年明け早々、欧米各国の訪問に出発した。7日にはウクライナを訪問するなど外交手腕を発揮しようとしている。

女性閣僚5人の「シンデレラ登用」

 上川氏で思い出すのは、昨年9月に誕生した第2次岸田再改造内閣を評した朝日新聞記事(2023年10月29日朝刊)。過去最多タイの上川氏ら女性閣僚5人起用を「シンデレラ登用」と、国民民主党の伊藤孝恵参院議員が評していた。

 シンデレラは、言うまでもなくおとぎ話のお姫さま。継母や義姉たちにいじめられて過ごしていた。が、魔法使いにドレス、ガラスの靴、馬車などをあつらえてもらい、お城の舞踏会に出ることができた。そこで王子様に見初められ、ついに妃(きさき)となる。美しくて素直であれば、男性が助けてくれて幸せになるという女性の形容となっている。

 「シンデレラ登用」とは、岸田首相ら党の偉い男性にとって、従順で都合のよい女性だから引き上げられた、だからこそ彼らは閣僚に任命したと言いたかったのだろう。

 21世紀になっても飛び出した「シンデレラ」。以来、気になっている。

女性の深層心理には

 女性にはシンデレラのような意識があるのではないかと問うたのは、米作家のコレット・ダウリング氏。名付けて「シンデレラ・コンプレックス」。1981年に出した本の題名であり、副題は「女性の中に隠された自立への恐怖」。女性には外からくる何かが自分の人生を変えてくれるという無意識の依存願望が…

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元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。