人生100年時代のライフ&マネー フォロー

早生まれは損する?「児童手当と扶養控除」のズレ問題

渡辺精一・経済プレミア編集部
 
 

 政府の「異次元の少子化対策」は、児童手当を高校生年代まで支給し、所得制限も撤廃する拡充策が柱だ。高校生年代の扶養控除は縮小する方針だが、全体でみれば、子育て世帯の手取りは増える。だが、積み残しとなっている課題もある。児童手当と扶養控除では年齢の扱いにズレがあり「早生まれは損」になってしまう問題だ。

扶養控除の扱いが焦点に

 政府は2023年12月22日、「こども未来戦略」を決定した。柱は児童手当の拡充だ。所得制限を撤廃したうえで、支給期間を現行の「出生から中学卒業まで」から3年間延長し、高校生年代まで延ばす。

 少子化対策や子育て支援の狙いから、多子世帯への支援も進める。支給額は3歳未満が月1万5000円、3歳から高校生年代が月1万円だが、第3子以降は3万円に増額する。

 24年10月実施を目指しており、24年12月から支給開始となる。

 この児童手当の拡充を受け、24年度与党税制改正大綱は、扶養控除の縮小を盛り込んだ。

 扶養控除は、扶養する親族がいる人(納税者)が税の計算上、所得から一定額を指し引くことができる仕組みだ。親族が16~18歳の場合の控除額は、現在の「所得税38万円、住民税33万円」から「所得税25万円、住民税12万円」に引き下げる。ただし最終結論は25年度税制改正に持ち越した。

 扶養控除の扱いは税制改正の焦点の一つだった。

 政府は23年6月に公表した「こども未来戦略方針」で児童手当の拡充を明記したが、高校生年代の扶養控除との関係は「どう考えるか整理する」と含みを持たせた。このため、児童手当の財源として16~18歳の扶養控除を廃止する可能性があるとみられていた。

 これ…

この記事は有料記事です。

残り2075文字(全文2773文字)

経済プレミア編集部

1963年生まれ。一橋大学社会学部卒、86年毎日新聞社入社。大阪社会部・経済部、エコノミスト編集次長、川崎支局長などを経て、2014年から生活報道部で生活経済専門記者。18年4月から現職。ファイナンシャルプランナー資格(CFP認定者、1級FP技能士)も保有。