A子さん(28)は従業員100人ほどの商社で、営業事務の仕事をしています。同社は社長の方針で、忘年会、新年会、お花見、暑気払い、バーベキュー、ボーリング大会など1~2カ月に1度のペースで会社の宴席があります。会社は労使協定を結んだ上で親睦費用として、社員から毎月2000円ずつ天引きしています。A子さんは会社の宴会がストレスでしかありません。
新型コロナウイルス禍になった際、こうした会社の宴会は中止となり、A子さんはホッとしていました。ところが2023年から復活してしまい、その日が来るのが憂鬱です。営業の外勤なら出張などを入れることもできますが、内勤のA子さんは断る理由を考えるのも苦痛です。
一方、A子さんの同僚は「毎月給料から2000円引かれているのだから出席しないと損だ」と言います。周りと適当に話を合わせておけばよいし、仕事中は見えなかった上司の人間性を知る機会にもなるため、ストレスはないそうです。
会社は給料の全額を社員に支払うのが原則ですが、労使協定があれば、この会社のように親睦費用や互助会費などを天引きにすることができます。
新卒で入社した時、A子さんは「こういう付き合いも含めて仕事だ」と親に言われました。自分にもそう言い聞かせてきましたが、コロナ禍で、こうした付き合いがなくても仕事は回ることがわかりました。
A子さんは仕事自体にはやりがいがあり、長く続けたいと考えています。でも、将来にわたりプライベートの時間が割かれることを考えると、転職を視野に入れるべきかどうか悩んでいます。
忘年会・新年会は復活したが
23年末はコロナ禍の制約から解放され、忘年会が復活して夜の街もにぎわいを取り戻したようです。とはいえ、東京商工リサーチが23年10月に実施した調査によると、忘年会・新年会を実施する企業は全体の54.4%にとどまりました。
「コロナ禍前は実施していたが今回は実施しない」と答えた企業は…
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特定社会保険労務士
大阪市出身。2023年、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。法学博士(大阪大学2026年)。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書(共著)に『労働事件予防の実務』(第一法規)など。http://www.sr-iyori.com/







