ついに、日銀は一歩踏み出した。「(物価安定の目標にむけて)先行きの不確実性はなお高いものの、こうした見通しが実現する確度は、引き続き、少しずつ高まっている」との文言が1月の展望リポートに書き加えられた。以前から植田和男総裁が記者会見で使用していた表現ではあるため目新しくはない情報だが、それが声明文に近しい展望リポートに記されれば話は別だ。中銀(中央銀行)ウオッチャーとしては、これは「GOサイン」である。
また1月31日に発表された「金融政策決定会合における主な意見」において、金融政策運営に関する15の意見のうち、13の意見が前向きな姿勢あるいはマイナス金利の解除を前提としたようなものとなっている。誰が発言したかは不明だが「千載一遇の状況」との表現も見られた。一歩踏み出す、という表現よりも、明確に市場とのコミュニケーションを打ち出してきた、と言ってもいいかもしれない。
となれば、問題はマイナス金利解除のタイミングが「3月か」「4月か」ではない。ポイントは、<1>何があれば4月までに利上げができないか<2>マイナス金利解除後の継続的な利上げが見込まれるか――だ。
二つのポイント
1点目について思い起こされるのは、昨年のシリコンバレー銀行の破綻である。すなわち外的なショックが生じれば、日銀の利上げ観測は後退する。過去20年近く、引き締め方向へのかじ取りをしたことがない中央銀行にとって、その初動は慎重なものにならざるをえない。その意味で注意すべきは、国内外の政治、世界経済・金融情勢であろう。
国内外の政治についてはイベントに事欠かない。国内での解散総選挙の可能性がくすぶるとともに、…
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