平野英治・メットライフ生命副会長に聞く(下)
1月から新NISA(少額投資非課税制度)が始まり、株高もあって国民の株式市場への関心は高まっている。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の初代経営委員長を務め、年金積立金の運用を監督した平野英治・メットライフ生命日本法人副会長は、投資を経験したことのない人も「実際に投資して勉強してみては」とアドバイスする。
――「初めて株式に投資をしたいけど不安」という人に助言はありますか。
◆平野英治さん 成功も失敗もあると思いますが、失敗そのものが経験になります。実際に投資しながら勉強してはどうでしょうか。新NISAの成長投資枠は年240万円、つみたてNISAで120万円。その範囲内で様子を見ながら少しずつ投資してみるのも一つの手です。
株式投資ですから、成績がマイナスになることも当然あります。リスクを身をもって経験することも大事です。
「長期・分散」で
――年金積立金という国民の資産を運用してきたGPIFはどうなのでしょうか。
◆GPIFは自主運用(※)を始めた2001年度から現在まで、どの10年間をとってみてもプラスの成績です。GPIFは国内だけでなく世界経済にも投資しています。運用成績がマイナスになった年が7年ありました。リーマン・ショックによる株価暴落もあれば、円高で海外投資に損失がかなり出た時もありました。
でも10年単位で平均して見ると安定的なリターンが出ています。世界経済は毎年、実質3%ぐらい成長しています。長期で見たグローバルな成長力を利用して安定的に収益を上げています。
――GPIFの運用対象は国内株式、外国株式、国内債券、外国債券がそれぞれ25%ずつですね。
◆そうです。投資した国内株式の資産評価が株高で25%を超えれば売却します。株価下落で25%を下回ると購入します。高値では売り、安値では買いになり、「押し目を買う」結果になっています。運用を安定させる機能がポートフォリオに織り込まれています。
投資はリスクもリターンもあります。暴落もありえます。だからこその「長期・分散」です。
動揺しないことが大事
――個人投資家も参考にできますか。
◆個人投資家は「衝動買いのろうばい売り」に陥りやすいです。でも、ショックに対して動揺せず、我慢できなくなるのをぐっとこらえて持ち続けることが大事です。個人には「長期・分散・積み立て」が永遠に正しいメッセージと思っています。
プロの投資家でも「市場に勝つことはできない」と言います。それは「株式指数に連動するインデックス型の投資信託の成果を上回ることがなかなかできない」という意味です。まして投資経験の少ない人にとっては至難の業です。
「敗者のゲーム」という本があります。チャールズ・エリスという米国の資産…
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