日経平均株価が4万円の大台を超えた。しかし、それまでの34年間でアメリカやドイツなどの世界の主要株価指数は大きく上昇しており、出遅れを取り戻すためのスタート地点にようやく立ったに過ぎない。日本企業は「内向き志向」から脱却し、生成AI(人工知能)の積極活用で既存戦略の見直しのみならず、組織やビジネスモデルのありようも含めて柔軟に変えていく勇気も必要だ。
転換点を迎えた生成AIビジネス
世界で社会実装への取り組みが進む生成AI。その心臓部となるチップ「GPU(画像処理半導体)」を製造する半導体大手エヌビディアの好決算をきっかけに、世界で株高が伸展している。
エヌビディアの創業者でもあるフアン最高経営責任者(CEO)は、2023年11月~24年1月期決算発表の場で、「企業、産業、国家を問わず世界中で需要が急増している」と述べ、生成AIを巡るビジネス環境が新たな成長への転換点に入ったとの認識を示した。
実際、フアンCEOの言葉を裏付けるかのように、エヌビディアの決算は、売上高(前年同期比3.7倍)、営業利益(同10.8倍)とも事前の高い期待をさらに上回る驚異的な数字を記録した。これを受けて、アナリストの業績予想も上方修正が相次ぎ、決算発表後の株価は2割近く急騰。
時価総額でアマゾンやアルファベットを抜いて、全米トップ3の仲間入りを果たしたのは周知の通りである。
回復実感に乏しい日本の株高
エヌビディア相場の追い風を受けて、日経平均株価も34年ぶりに最高値を更新した。翌日の主要各紙はこぞって史上最高値更新を一面トップでとりあげたが、報道機関の過熱ぶりとは裏腹に、世間の反応は今一つ盛り上がりに欠けるのが実情だ。最高値更新といっても、企業収益に裏打ちされた株高であり、値上がり期待から投機的な取引が横行した34年前とは様相が異なるとの認識が背景にある。
事実、株価の割高・割安度合いを…
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