どうなる日産・ホンダの提携(下)
「これまでの業界の常識、手法に縛られていては到底、太刀打ちできない。時代の変化は早くなり、多様な競争相手が攻勢を強めてくる。悠長に構えている余裕はない」
日産自動車の内田誠社長は、ホンダの三部敏宏社長と登壇した3月15日の記者会見で、こう危機感をあらわにした。三部社長は「変化に対応できない企業は淘汰(とうた)される。2030年に我々はトップランナーでいたい。少なくともトップランナーと伍(ご)して戦いたい」と応じた。
日産とホンダが電気自動車(EV)や自動運転など先端技術の開発で提携を検討すると発表した背景には、米テスラや中国の比亜迪(BYD)など新興メーカーの急速な台頭がある。これらの新興勢力に対して、出遅れた日産とホンダに強みがあるとすれば何だろうか。
テスラとBYDの優位性は?
筆者はこれまでテスラやBYDのEVに試乗し、リポートしてきた。テスラが初の量産モデルとして19年に日本で発売した「モデル3」と当時最新鋭の日産「リーフ」の最大の違いは、テスラにはリチウムイオン電池の温度を調節するバッテリークーラーとヒーターがあることだった。
これがあると、高速走行後は温度の上がった電池を冷やし、冬は温めることで充電時間が短くなるほか、電池の経年劣化も少なくなる。テスラは電池の制御や管理でいろんな工夫をしている。その後、日本メーカーもバッテリークーラーやヒーターを、新たに開発するEVに搭載するようになった。
テスラには、販売したクルマと無線通信でデータを送受信し、車載コンピューターのソフトウエアを更新する「OTA=Over The Air」というシステムがある。従来なら自動車ディーラーの工場で修理していたような不具合にも自動更新で対応できるという。
内田社長は21年8月の筆者のインタビューで「OTAなどの先進技術は当社も持っているが、市場に投入するタイミングで後れを取った。テスラは技術革新の会社で、…
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